女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ

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1:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:03:50.53ID:3XQ4nUAM0

キンキンキンキン!
俺「ついていける!」
女剣士「嘘…!」
俺(この日の士官学校の決闘祭のために半年、彼女の剣の流派を研究した甲斐があった)
女剣士「こんな試合、お父様も失望する…」
女剣士「この私が、貧民の我流剣士なんかに負けるわけには…!」ブワッ
審判(これは殺す気の一撃だ…!)ゾクッ
俺(来る、炎刀流奥義・絶炎華!)
俺「我流奥義、絶炎返し!」カァンッ
女剣士「う、そ….こんな、ことは…」ドサッ
審判「しょっ、勝負あり! 決勝戦、俺選手の勝利です!」
観客「うおおおおおお!」


2:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:03:59.17ID:3XQ4nUAM0

二年後…
友「士官学校、最後の決闘祭も大詰めだね」
友「三年連続俺君の優勝かなあ」
俺「どうだろうな。イケメンの奴、今年は実家絡みでとんでもない師匠を見つけてたみたいだ」
俺「俺でも勝てるかどうか…」
クラスメイト「おい、準決勝戦でイケメンが敗れたぞ!」
俺「!」
友「は、はぁ!? 何かの間違いだろ!」
俺「相手は…」
クラスメイト「女剣士って奴だよ。去年、決闘祭はベスト8まで勝ち残ってなかったはずだけど…」
俺「女剣士…!?」
俺(馬鹿な、あいつは俺に敗北してから士官学校に来なくなったはずだ…)
俺(てっきりショックで学校を辞めさせてしまったのかと心配していたが…)


3:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:04:06.54ID:3XQ4nUAM0

女剣士「ふ、ふふ…やっと、やっと貴方に再戦できる」ニヤ
俺「ど、どうしたんだ、その身体…」
俺(酷使しすぎてボロボロ…筋肉がむしろ貧相になっている。明らかなオーバーワークで身体を壊している!)
女剣士「二年間、貴方が、憎くて憎くて、仕方ありませんでした」
俺「あれは、正当な決闘で…!」
女剣士「私は父様の自慢の娘…貴族家の家督を継ぐはずだったのに!」
女剣士「決闘祭で我流の貧民相手に遅れを取って家の名に泥を塗ったと、家を追い出され…家名を失い…!」
女剣士「私の全てだった…人生そのものだった、炎刀流の使用さえ禁じられた!」
俺「そ、そこまで…!」


4:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:04:09.61ID:8mQWB7b8r

キンキンキンキンキンキンキンキン


5:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:04:17.06ID:3XQ4nUAM0

女剣士「それもこれも、全てっ! 貴方が、あのような節操のない、卑劣な手段で私を負かしたせいで!」
俺「ひ、卑劣な手段…?」
女剣士「貴方は、私の炎刀流の奥義を破るためだけの技を半年掛けて編み出して、切磋し続けていた…!」
女剣士「あんな、あんな技…! 実力では私が勝っていた! だというのに!」
女剣士「あまりに陰険…!」
俺「…相手の技に対応した返し技を使うのが、卑怯だと?」
女剣士「ここは戦場じゃない! 学生が他の学ぶべきことを蔑ろにして、あんな技を覚えるなんて…!」
俺「俺は、貴女をそれだけ警戒して…同時に、尊敬していた」
女剣士「!」
俺「貴女の家がそれ程厳しいとは知らなかった、申し訳ないことをしたとも思う」
俺「だが、それ以上世迷言を吐いて失望させないでくれ」


6:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:04:24.91ID:8mQWB7b8r

あ、金曜日だから立ったのか


7:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:04:27.33ID:3XQ4nUAM0

女剣士「…そうね、貴方と口論をしにしたわけじゃない」スッ
女剣士「始めましょうか」
俺「…そんな痛々しい身体で、試合なんてしていたら…取り返しのつかないことになるぞ」
女剣士「黙れ! 私は、とっくに引き返せないんだよ!」タァン
俺(以前より遥かに速い!)
キンキンキンキン!
キンキンキンキン!
俺「うぐっ…この立ち回りは!」
女剣士「どう? 決定打が、全く出せないでしょう?」ニマァ
女剣士「この二年間…ずっと、ずうっと貴方だけを観察し続けて、貴方だけを想い続けてきたの」
女剣士「今日この日の立ち合いのために」
女剣士「どれだけ、この日を恋い焦がれていたか…」ハァハァ
女剣士「まさか、卑怯とは言わないわよね?」ニコォ
俺「……」ゾクッ


9:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:04:36.46ID:3XQ4nUAM0

俺(ダメだ…このままだと、相手の剣筋に破綻なんか作れるわけがない!)
俺(女剣士は、俺よりも俺の剣筋に詳しい)ゾォッ
女剣士「…右手を上げる、下げて掬い上げようとする」ブツブツ
俺「う、動きを完全に読まれた!?」
女剣士「魔禁流奥義・天道貫」ゴウッ
ドスッ
俺「うぐっ、太腿を…!」
俺「お、俺の負け…」
女剣士「何を言っているの? まだ戦えるでしょう?」
俺「は…?」


12:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:04:45.12ID:3XQ4nUAM0

俺(確かに、足が動く…? 出血も、少ない…)
俺(いや、違う。きっちり重要な神経を削られてる)ゾクッ
俺(あいつは、ギリギリ決闘のストップが入らない外傷で抑えつつ、俺に後遺症を残して剣士生命を断つつもりだ!)
女剣士「気づいたみたいですね。もっとも、降参やストップが入ってもその前に殺して差し上げますが…」
女剣士「このまま甚ぶられてくれるのなら、全身麻痺で許してあげましょう…ふふ、ふふふふ…」
女剣士「責任を取って、生涯介護して差し上げますよ。夢絶たれた貴方が無様に生き続ける様を、一生横で嘲笑ってあげます」
女剣士「さあ、次は左腕の膝をいただきましょうか」


15:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:05:01.49ID:3XQ4nUAM0

俺(守りに徹しろ! 相手の剣筋を見極めろ!)
キンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキン!
女剣士「まるで、二年前とは正反対の展開になりましたね!」
女剣士「貴方の剣術を探りながら迎え討とうとする私と、私の剣を研究してきた貴方!」
女剣士「結果もきっと、そうなるでしょうね!」
俺(落ち着け……奴の剣術に対して、俺の剣術が詰んでいるわけじゃあない)
俺(かといって、か細い隙を狙う余裕はない!)
俺「賭けに出させてもらうぞ!」バッ
俺「我流奥義・虎牙閃!」ギュンッ
女剣士「……」ニィッ
女剣士「前回の決着を忘れたようですね! 虎牙返し!」


16:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:05:02.96ID:DGz85f6c0

これアルカディアにあったわ


18:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:05:10.47ID:+mmrNv4sa

中年男「早く出てこない、出てこないと人がどんどんと死ぬぞ」バンバンッ
俺「キ、キチガイめ……」
中年男「早くその箱を渡すんだ」
俺「くそ、武器になりそうなものは……せめて包丁とか……」
俺「蜂スプレーに、ハサミ、か。こんなのじゃあ、とても……」
中年男「そこにいるのはわかっている。本当は無駄な殺しはしたくないんだ」ツカツカ
俺「もう、駄目だ……いちかばちか、この箱を開けてみるか?」


19:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:05:10.94ID:3XQ4nUAM0

女剣士(勝った…勝った…勝った! 私が、私が、あの剣士に勝った…!)ハァハァ
女剣士「フフ、フフフフ…!」
俺「…我流奥義・猫崩れ」シュッ
女剣士「えっ…」
ドスッ
女剣士「…どうして? どうして?」ガクン
俺「…お前なら、虎牙閃を破ってくると思っていた」
俺「猫崩れは、俺がずっと前に、虎牙閃の直線的で読まれやすい弱点を補うために考えた技だ」
俺「途中から動きを分岐する。虎牙閃のように荒々しくなく、ふわりと動いて間合いを詰める」
俺「もっとも…今日まで、使う機会はなかったがな」


20:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:05:12.68ID:+4GyKZoI0

諦めろ


21:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:05:19.10ID:3XQ4nUAM0

女剣士「そんな…そんな、どうして、ここまでしたのに…どうして?」
俺「…戦術を、対策に絞り過ぎたからだ。だから動きを読まれる。俺は、弱みにはちゃんと補う術を用意している」
審判「しょ、勝利、俺! 士官学校決闘祭、三連覇だ!」
女剣士「どうして、どう、して…」ブツブツ
俺「……」


25:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:05:33.49ID:lSRRsuMXd

エンドレス



26:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:05:35.97ID:v2GDmlMhd

俺(俺の【ステータス】の奇跡は、設定を弄れば、相手の好きな詳細を見れる)
俺(性格から才能、病気から性体験までなんでも暴ける)
俺「ハハハハ! もっと金ができたら奴隷トレーダーで儲けるのも悪くないかもしれないな! 株みたいに!」
俺「……今の持ち金は八十万ゴールド、綺麗どころの性奴隷は簡単に二百万ゴールドくらいに乗っちまうからな」
俺「なんとか安くて優良な奴を当てておきたい。最悪多少ブスでもいいか、また売ればいいだけだし」


28:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:05:50.27ID:v2GDmlMhd

奴隷商人「キキ、旦那、初顔ですかい?」
俺「あ、ああ、わかるのか?」
奴隷商人「ええ、この場になれてないってウブな顔だ」
奴隷商人「安くしときますぜ、今後仲良くやっていくためにもね」ニマァ
俺(……不気味な奴だな)
俺(まぁ、ボラれることはないか。俺の【ステータス】に、都内市場価値をセット……これで確実に足許を見られないで済む)


32:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:06:03.89ID:8mQWB7b8r

これはフリーメイソンの仕業なんだよね


33:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:06:09.34ID:v2GDmlMhd

奴隷商人「この子はどうですかい? 耳長ですよ」
俺「……エルフか、美人だが」
エルフ「……」ギロッ
◆◆
種族:エルフ
年齢:215
性格:人間嫌い
病気:マンドラゴラ病
経験:258人
特筆:魔力高
市場価値:400万ゴールド
◆◆
俺「ひぇっ」
奴隷商人「どです? んんー、390万ゴールドくらいで?」
俺「うーん……悪いが、あまり金も持ってないもので」
奴隷商人「なんだ、そうかい。もう少し手頃なのを見繕ってあげようかね」
俺(……いきなりハードなもの見せられちまった、嫌な背景がありあり想像できる)


35:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:06:25.91ID:eY5aNiDo0

ほ人片


39:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:06:54.07ID:v2GDmlMhd

女の子「…………」
俺「こ、この子は……」
奴隷商人「へへへ……下取りで、得意先様から押し付けられちゃった娘で」
奴隷商人「ほら、左目の周りとか凄いでしょ? 脱いだらもっと酷いですよ」
俺「どうするんですか……?」
奴隷商人「まあ……ここまで酷いと、何もしなくても来週には死ぬでしょうね」
俺「…………」


41:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:07:07.81ID:8kSYQh9Q0

まだやってんのかよww


42:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:07:08.65ID:v2GDmlMhd

奴隷商人「拷問好きのお客さんなら買われるかもしれませんね。殺しても惜しくないわけだし」
俺「拷問好きの」
奴隷商人「そういう人に他の子と抱き合わせか、五万ゴールドくらいで捌こうかなと」
俺「買います」
奴隷商人「……え?」
俺「買いますと、言ったんだ。売り物なんだろ」
奴隷商人「旦那……? いやぁ、でも、止めておいた方がいいですよ? 新入りにこんなの掴ませたなんて噂が広がると、私も……」
ジャラッ
俺「八十万ゴールドある。これで文句ないだろ」


43:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:07:17.68ID:FQc4oF3U0

キキキキン


44:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:07:22.66ID:v2GDmlMhd

俺「ふう……どうにか急ぎで、予備のポーションが売れてよかった」
俺「パンを切って、野菜とハムを挟んで、ゆで卵スライスを加えて……香辛料はまだあるな」
俺「よし、即席サンドだ! 俺のこっちでの好物なんだけど」
女の子「…………」
俺(ダメ……か)オドオド
女の子「…………」モグモグ
俺「……!」パアッ


45:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:07:26.45ID:+mmrNv4sa

(逃げなきゃ……あいつが撃ったんだ!)
俺(あいつが命懸けで逃がしてくれたのに、俺……)ジワッ
俺(絶対俺、この箱だけは守るからな……!)
中年男「待て、お前は何も知らない」ザッザッ
中年男「その箱を持っていると恐ろしいことになるぞ」
俺「銃持って追いかけて来る奴を信じられるか……!」


46:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:07:26.69ID:3XQ4nUAM0

三年後…王都にて
俺「任務を終えました。騎士長様」
騎士長「うむ、ご苦労だった。思っていたより、ずっと早くに戻ってきてくれるね、キミは」ニイ
騎士長 「さすがは士官学校、決闘祭三年連続優勝の快挙を果たした男だ」
騎士長「私でも、優勝は二年時に一度だけだったよ」
俺「……」
騎士長「…ふうむ、キミは影があるね」
俺「すいません、決闘祭には苦い思い出があって」
騎士長「ほう?」
俺「…三年たった今でも、行方不明のままなんです。決勝戦の相手が」
騎士長「……」
騎士長「…そうか、キミがいつも探しているのはその女か」


47:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:07:28.50ID:jrABsQ6Nr

これ最後まで見たことない


50:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:07:35.25ID:v2GDmlMhd

俺(……しかし、食べ方、綺麗だな。こっちの世界では珍しいぞ。この子、教育のしっかりしている家で育ったのかもしれない)
女の子「…………」
俺「なぁ、もしかして貴族の家柄とか……」
女の子「……!」ビクッ
俺「そんなわけないか」
女の子「い、嫌ッ! 嫌ッ!」
俺「お、おい、どうしたんだ!」
女の子「やだぁ! 嫌だ、やだぁ! やめて! やめてください!」


51:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:07:39.18ID:8kSYQh9Q0

同時上映とは豪勢やなぁ



52:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:07:39.64ID:3XQ4nUAM0

俺「すいません、反応に困りますよね。こんな話」
騎士長「いや…優秀な部下の悩みだ。私も捜してみるさ」
俺「…ありがとうございます」
騎士長「と、ところで、その娘のことを気にかけているようだが…君のその、恋人か何かだったのかな?」
俺「え? いえ、特にそういうわけではありませんでしたが…」
騎士長「そ、そうかい」ゴホンッ
俺「……?」
騎士A「大変です騎士長様! 騎士Bが、死体で……例の殺人鬼に殺されたのかもしれません」バッ
騎士長「な、なんだと? まさか、あの騎士Bがやられるとは」
俺「何の話でしょうか?」
騎士長「お前が任務に出ている間に、王都に通り魔が現れたのだ…。被害は、既に十三人を超えている」
俺「なっ!」
騎士長「騎士Bまで殺されたとなれば…かなりのやり手だ。二人組でパトロールに当たった方が良さそうだな」


53:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:07:47.65ID:3XQ4nUAM0

騎士長「こんな遅くに出歩くな! 早く戻れ!」
街人「す、すいません!」
俺「…出歩く人は減りませんね。本当に、危うい事態なのに」
騎士長「真剣に罰金でも課すべきだろうか」ハァ
ドサッ…
騎士長「…何の音だ?」
俺「俺が確認します」サッ
騎士長「馬鹿者、不用意に逸れるな!」
女剣士「禁魔流・羅刹」ガシュッ
騎士長「がっ!」
女剣士「あら…外れた。心臓を不意打ちで貫く技なのに」
女剣士「でも、その外傷じゃ無駄! 天道貫!」ザスッ
騎士長「あ、あ、あ…」ドサッ
女剣士「フ、フフ、首の神経を削ったわ。これで貴女ももう、動けないお人形さん」


54:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:07:50.69ID:v2GDmlMhd

女の子「ごめんなさい! ごめんなさい! 生まれてきてごめんなさい!」ガクガク
俺「お、落ち着け! 安心しろ! 俺は絶対に酷いことなんてしないから! な?」ギュッ
女の子「ごめんなさい、ごめんなさい……」ガクガク
俺「ここにはお前に酷いことする奴は一人もいない! 俺がそんなことさせない! だから大丈夫だ!」
女の子「……うう、うう……」
俺(よ、よし、落ち着いてきたか……)ナデナデ
俺「…………」
奴隷商人『まあ……ここまで酷いと、何もしなくても来週には死ぬでしょうね』
俺(お、俺が……俺が、どうにかしてあげないと)


55:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:07:58.39ID:BTGV65P/0

キンキン音頭まだか?


57:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:07:59.49ID:HJboF/V30

世界一つまんないわ
ストーリーもシナリオも構成も書き方もなにもかも


58:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:07:59.86ID:3XQ4nUAM0

女剣士「羅刹! 羅刹!」ガシュッ、ガシュッ
俺「そんな不意打ち前提の技が当たるか!」ガンッ、ガンッ
ザクッ
俺(防ぎきれなかった…横っ腹、持っていかれた…)ガハッ
女剣士「ああ、あら、ごめんなさい、貴方の身体に傷をつけるつもりはなかったのに」ペロッ
俺(俺の血を、美味そうに舐めてやがる…)ゾッ
女剣士「貴方、私が思っていた程強くはなかったのね」シュッ
女剣士「手足落としで達磨にして、ずぅっと、生涯愛してあげるわ」ハァハァ
俺(不意打ちとはいえ、騎士長に致命傷を与えた剣の腕は、明らかに俺より数段上だ!)
俺(こいつは狂ってるが、俺と覚悟が違う!)


59:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:08:08.70ID:v2GDmlMhd

―ある豪邸―
女侯爵「どうかしら、例の娘?」
部下「は……奴隷市場に売られ、その後、娼館へ流れ着いたようです」
部下「その後、性病が発覚して、貧民街の最低位の娼館、通称【便所穴】に落とされたようですな」
部下「死ぬより辛い目に遭われたことかと」
女侯爵「ホホホ、それでいいわ。あんな泥棒猫の娘、当然の末路ね」
女侯爵「ねぇ、これでわかったでしょう? 貴方は、私だけ見ていればいいの」ギロ
夫「……」
女侯爵「何か言いたいことがありそうねぇ? 別にいいわよ、また夜遊びしても」
部下(恐ろしいお人だ……夫の妾を拷問死させ、その子供まで地獄に突き落とすとは)ゾオッ
部下(民衆から吸血侯爵と恐れられるだけはある)


62:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:08:17.29ID:vmEHz4Nu0

何年前からあるんやこれ


63:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:08:21.81ID:v2GDmlMhd

女侯爵「……で、今その娘はどうなってるの?」
部下「え……? い、いえ、【便所穴】に落とされ、死んだのでは?」
女侯爵「確認していないの? とんだ無能ね」ギロッ
部下「しし、しかし! 死んだにきまっています!」
女侯爵「万が一ってこともあるでしょうがああああ! あのゲロブスの娘が生きているかもしれないと思うと、気が気じゃないのよおおお!」バンッ
部下「ももも、申し訳ございません!」
女侯爵「いいことを考えたわ。娼館に連絡して、死体を取り返しなさい。あの人に見せつけてあげるわ」ニマア
部下「は、はは、はいい!」


65:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:08:23.06ID:3XQ4nUAM0

女剣士「わざわざその技を仕掛けて来るなんてね」
女剣士「愛している貴方のことなら…私、なんでも知っているのよ」ペロッ
女剣士(とはいえ、猫崩しへの変化は、見てからは対応できない)
女剣士(勝負するなら、二分の一に賭けることになる)
女剣士(技量で勝ってる私は、下がって守りに徹して、この剣技の相手をしないのが正解だけど…)
女剣士「アハ、いいわ、乗ってあげる! 貴方の覚悟、逃げずに受け止めてあげる! 貴方と私、賭けに負けた方が死ぬことになるわ!」


66:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:08:31.61ID:3XQ4nUAM0

女剣士(あの人の性格上……一度猫崩しを見せている以上、ここはそのまま虎牙閃で突っ込んでくるはず…!)
俺「……」シュッ
女剣士(ほら来た! ここまで来て姿勢を変えていないということは、猫崩しに変化する気がないということっ!)ググッ
女剣士(なぜなら、ここまで来てしまったら、私の剣を避けられないから!)
ザシュッ
女剣士「アハ、私の勝ち……このまま追撃で……!」スカッ
女剣士「え……?」
俺「……猫崩し」ザクッ
女剣士(確実に猫崩しを通すために、わざと私の攻撃を受けるまで引き付けてから変化した……?)


67:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:08:34.18ID:v2GDmlMhd

―冒険者の酒場―
俺「……そういや、昼飯も後回しにしたまま、まだだったんだよな。もう夕刻か」グウ
俺「あーあ、全財産渡したのは馬鹿だったなぁ」ポリポリ
剣士「あの感じ悪いオッサンいるじゃん」
槍使い「ああ、強そうだったから誘ったら鼻で笑いやがった奴だな。誰に対してもあんな調子だとよ」
剣士「なんか頼んで回ってるみたいだが……馬鹿にされてるみたいだな」
槍使い「だろうよ、いいザマだ」


68:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:08:39.13ID:+mmrNv4sa

俺「クソッ! 深夜が災いしたか」
俺「街中でも平然と追いかけてきやがる!」
中年男「………」ツカツカ
俺「だが、デパートに入れば……!」バッ
店員「ど、どうしたんだ、君、そんな大慌てで!」
俺「助けてくれ! 命を狙われてるんだ! 警察を……」
バァアアン
中年男「外したか……」
俺(呼んでる猶予はない)ゾクッ


69:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:08:45.34ID:v2GDmlMhd

俺「な、なぁ、アンタ、以前はその、悪かった」バッ
剣士「うわ、こっち来たwww笑うわwww」
剣士「アンタじゃなくて、剣士さんだが?」
槍使い「おい、止めとけ、こいつ短気でクズだって……」
俺「す、すまない、剣士さん、その、訊きたいことがあるんだ」バッ
剣士「wwww」
槍使い「…………」


70:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:08:46.40ID:3XQ4nUAM0

俺「…もう、剣を握れないだろう?」ゼェゼェ
女剣士「あ、ああ…」プルプル
女剣士「あが……」ドサッ
俺「決着が…着いたな…」ゼェゼェ
俺(この怪我…俺ももう、剣士をやってられないかもしれないな)
女剣士「勝てなかった…最後まで、勝てなかった…あれだけやったのに、全て、無意味に…」
俺「女剣士…」
女剣士「でもこれで! 貴方の心と身体に、一生消えない深い傷を残すことができた! ウフフ、アハハハ!」
俺「……」


71:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:08:54.82ID:v2GDmlMhd

俺「白魔導士を、探してるんだ……それも、最低でもB級以上の」
俺「もう時間がなくて、遠出して会いに行く猶予はないんだ」
俺「頼む、噂でもいい、何か知っていることがあったら……!」
剣士「知るかよそんなの! この都市に、そう都合よくB級の凄腕白魔導士がいるわけないだろバカかよ」
俺「……そう、ですよね」
槍使い「……貧民街に、仙人と呼ばれている白魔導士の男がいるらしい」
剣士「おい、お前……!」
槍使い「キナ臭い話だがな、行くなら気を付けろ」
俺「ありがとう、ございます。行ってみます」ペコッ


72:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:08:56.52ID:3XQ4nUAM0

女剣士「見なさい! この首飾りの、骨の欠片…これ全部、私が殺してやった人間なのよ!」
女剣士「貴方と! 私で! 殺した数なの!」
女剣士「そこの騎士長さんも、貴方が人生を奪ったようなものなのよ!」
女剣士「もう首から下が動かないの!」
女剣士「あの人…ずぅっと生き地獄を味わい続けるのよ! アハ、アハハハハ!」
俺「…そうだ、俺の罪だ。そして、ここで終わらせる」ジャキン
女剣士「…………」ポタ
女剣士「……早く、殺して。お願い、貴方の手で……」
俺「…………」


73:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:09:03.19ID:GPO7ElyCd

チノ「えっ…私の子宮…悪いんですか…?」
ヤブ医者「悪いなんてもんじゃないね 子宮がぐちゃぐちゃ」
チノ「そんな…」
ヤブ医者「この写真の黒いとこ 全部腐ってるよ」
チノ「じゃ…じゃあ…私は…」
ヤブ医者「全摘(子宮摘出)ですね」
チノ「赤ちゃんは…」
ヤブ医者「あ?作れるわけねーだろ」
チノ「そ…そんなの嫌です…」
グスン
ヤブ医者「じゃあキミ死ぬね」
ココア「チノちゃん………」
ココア「命には代えられないよ…」
チノ「うあああああん!!」
ギュッ
ココア「先生…お願いします…」


75:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:09:10.39ID:3XQ4nUAM0

女剣士「ごめんね…全部、八つ当たりなの。わかってた」ポタポタ
女剣士「本当は初めて負けたあの日……あの日から、きっと貴方のことが好きだったんだと思う」
俺「……っ!」
女剣士「…私は家が厳しかったし、見合い結婚することが決まっていたからそういう感覚に疎かったし…何より初恋だったから、わからなかった」
女剣士「凄く家が厳しくって…でもあの頃はそれが普通だと思ってて」
女剣士「どこに矛先向けたらいいのかわからなくって…それで、ずっと貴方を目の敵にしていたけど…」
女剣士「本当は憧れたかったし、大好きになりたかったの」


77:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:09:20.22ID:v2GDmlMhd

―翌日―
女の子「ごほ、ごほ」
俺「わ、悪い、連れ回して……。背負おうか?」
「見ろよ、あいつ、病持ち連れてるぜ」
「あの目、魔毒の症状じゃないか? よく触れるわ……」
「あんな汚物、表に出すなよなぁ、非常識だなあ」
女の子「…………」
俺「うるせぇぞテメエらぁ! お前達に、この子の何がわかる!」
女の子「!」
「おいおいあいつ、目に涙浮かんでんぞ」
「ビビってんじゃねぇか。無理するなよ雌犬の飼い主さん」


78:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:09:22.28ID:3XQ4nUAM0

女剣士「もっと、別の場所で会えたら…」
俺「…一年の頃、名家の天才剣士がいるって聞いて…ずっと憧れで、目標にしていたんだ」
俺「そうでもなったら…わざわざ奥義返しなんて、編み出すもんか…」
女剣士「…そっか、両想いだったんだ」ニコ
女剣士「…………」
女剣士「……お願い」
俺「……」シュッ
ザクッ


79:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:09:24.43ID:+mmrNv4sa

俺「た、助けに行かないと……!」ダッ
俺(拳銃持った相手に敵うかはわからないが……)
俺(あいつは、なんだか放っておけない!)
俺(もしかして、本当に俺達、別の世界なら友達だったのか……?)
友達「」
俺「ひ、酷い、頭を撃たれ……」
中年男「……」チラッ
俺「う、うわああああっ!」ダッ


81:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:09:35.63ID:v2GDmlMhd

―貧民街―
俺(噂通りの、小汚い、変わった頭の形の爺さんだ……)
俺「あなたが、仙人さんですか……?」
浮浪者「よーお、貴族の遣いが頼みに来るね。そんなこと言って」カカカ
浮浪者「そっちの子が病持ちか」ジロッ
女の子「…………」
浮浪者「で、ゼニは持ってるか?」
俺「う……その、金目のものなら……」
浮浪者「ほーう」


82:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:09:36.70ID:3XQ4nUAM0

女剣士「…………」
俺「…………」ハァハァ
俺(なんで、俺は外した……! 決めただろ、覚悟……!)ギュッ
騎士「騎士長様!」
騎士「奴が殺人鬼か! 大丈夫かっ! 俺!」
俺「うっ…」
女剣士「……臆病者」ボソッ
女剣士「…………」ガンッ
俺「ガハッ!」
俺(蹴飛ばされた……!)ゲホッ


83:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:09:44.23ID:3XQ4nUAM0

女剣士「……」ヨロ、ヨロ
女剣士「…………」チラッ
俺「…………」
騎士「逃げるぞ! 追えっ!」
女剣士「…………」バッ
俺(騎士長様……すいません……女剣士……ごめん……)ポタポタ


85:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:09:47.29ID:v2GDmlMhd

俺(足りるか……? 大したものは持っていない)
俺(相場を確かめるべきだったか……)
俺(いや、その前に、こいつが本物かどうか確かめておいた方がいい。確認事項を【ステータス】にセットして……)
◆◆
種族:ヒューマン
年齢:64
性格:狡猾
技能:【ペテン:B】【カリスマ:C】
◆◆
俺「なっ!」




元スレ:https://swallow.5ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1596197030/
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