北野武が小説だけ箸にも棒にもかからない理由、かつての北野武が語っていた

HANA-BI公開の頃

たけし「僕の映画がすごく言葉少ないのは、当てはまった言葉があれば良いんですけど大体画だけの方が良いことがあるんですね。」
井上ひさし「はい」
たけし「当てはまったセリフがなかなか書けない。雰囲気出すために変に台詞足して言葉で限定するなら『映像があるんだから、イメージで勝手に受け取ってくれ』ってなっちゃう」
井上「HANA-BIでも効いてますよね。主人公の台詞を書き写してたら原稿用紙2枚程度だった(笑)。その中には妙につまんない日常の話しだったり、その対比がとても良かった」
たけし「えへへ」
井上「あとキッズ・リターンの最後のセリフなんて本一冊に相当するものですよ。映画で喋らないって正しいんじゃないですかね」

たけし「今は『隅田川の土手で子供とおばあちゃんが会う』って画だけあって活かすために逆算とアレンジしてくんですが、隙間を字で埋めるのが大変で…」
井上「うんうん」
たけし「小説で状況や風景を描ける人って天才ですよね」
井上「『大平原から馬車に乗って去りゆく貴婦人がどんな運命をたどるのか』を2行ぐらいでどれだけ表現出来るかが作家の才能でしょうね」

結論:北野武は情景を描く文章やセリフが書けない

まあトムとジェリーみたいなもんやね

隅田川の土手で子供とおばあちゃんが会う
これ結局映画になったんか?

言葉遊びの漫才師なのに映像特化なのか?

自分の出来る事と出来ない事認識できてるの強いわ

たけしくんハイとかエッセイ風のは面白いのに

井上ひさし「たけしさんの映画は誰も居なくなった後にカットせずにその風景を映してるじゃないですか。あれも良いですね〜。」
たけし「あれは、今思うと寄席で落語家が一席終わった下がったら座布団だけしか無い時間があるじゃないですか。あの余韻が好きで…その影響受けた結果ですね」
井上「なるほど」
たけし「日本人や欧州人はそういう余韻楽しむの好きだから合ったところもありますね」

HANA―BIのラストは無言が長くて緊張感あった

だってたけしの小説って全部ゴーストが付いた聞き書きって話やん
そんなんで賞取れるかいな

たけしは演出の人よな

えへへってほんまにたけしがいうたんか?

なにが怖いってこの書き起こしが全部捏造のところ

宮崎駿がトトロを作った話と同じやな

バス停で傘を持ってお父さんの帰りを待つ風景だけが先にあったっていう

黒澤明「僕ビートさんの映画はどれも好きでね、説明がないのが良いんだよ。日本映画は説明しすぎだからさ」
たけし「うん」
黒澤明「サーフィンの映画、あの大会のシーンはああは撮れない、あれは良いよ。」

たけし「あれはサービスカットみたいなもんで、」

内容忘れてきたしキッズリターン見たくなってきたわ

Dollsも主人公らのセリフは1ページくらいで終わりそう

別に小説だって情景を描かなくてもええやろ情景というよりは世界観や
そんで世界観うまく描くには何個か手段がある
例えば語り口や語彙とかな
たけしにはこれが足りないんやろ

小説においてもたけしの省略の技法って有効やしな

黒沢「サーフィンの映画大好きなんだけどさ、最後女の子がなんかやってるのわからなかった。あれ要らなかったな」
たけし「『このままだとお客さん伝わるかな?』って不安になって、サービスカットとして撮ったんですよ。そしたら『そこが良い!』って言う人が出てきちゃって(笑)」

大して話も作れずキモオタ向けのキャラしか描けない漫画家が起承転結の必要ないストーリー4コマ漫画描くようなもんか?

太田は向田邦子すきだよね
かわうそ絶賛してるイメージがある

武映画見たくなってきたけどわざわざレンタル屋まで行くのだるいんだよなー

井上ひさし:浅草フランス座文芸部出身
ビートたけし:浅草フランス座出身芸人