彡(ﾟ)(ﾟ)「ワイは敗北を知りたいんや」

看守A「334番、ワイ! 出ろ! 釈放だ!」
彡(゚)(゚)「釈放? シャバで52人、ムショで18人を殴り殺したワイが釈放なんか?」
看守A「本当は死刑囚を野に放ちたくないが、上からの意向だ」「全くコイツを釈放させるなんて上は何考えてるんだ?」

───数時間後
(ヽ ́ん`)「やあワイくん。私が釈放を命じた者だ。お腹は空いてるかね? ムショでは食べられないものをなんでも用意しよう」
彡(゚)(゚)「……おっさん、何が目的なんや?」
(ヽ ́ん`)「…..やはりそのことから話すべきかな。君は地下闘技場を知っているかい?」
彡(゚)(゚)「地下闘技場……漫画でよくあるやっちゃな。ノールールで闘うアレやろ?」
(ヽ ́ん`)「その通りだ。ここ日本にも存在する」

彡(゚)(゚)「……ほんで、ワイに出ろってことか?
」
(ヽ ́ん`)「飲み込みが早いね。その通りだ」
(ヽ ́ん`)「地下闘技場には私のような資産家同士が財産を賭けて勝ち取るために、見込んだファイターを雇う」
彡(゚)(゚)「……それでワイに白羽の矢が立ったっちゅーことか」
(ヽ ́ん`)「その通り。いつもはプロ総合格闘家上がりなんかを雇っているんだけどね?」

(ヽ ́ん`)「今回の相手はちょっと特殊でね。君と同じ人種だが、”合法的”に人体を破壊し続けているタチの悪い奴なんだ」
(ヽ ́ん`)「闘いぶりがあまりにも凄惨なものだから、ウチで雇っていた闘士が怯えて逃げ出してしまってね」
(ヽ ́ん`)「そこで、そいつの代わりにくだんの壊し屋と闘ってほしいんだが、どうかね? もちろん報酬は弾むよ」
(ヽ ́ん`)「もし怖いというのなら、無理強いはしない。直ちに刑務所に戻してあげよう」

期待

──試合前夜──
彡(゚)(゚)「シャバの飯は美味いなあ……ムショで賄賂と引き換えに喰ったゴミ肉なんかより万倍ええわ」
彡(゚)(゚)「食った後で毒仕込まれてた事に気付いてソッコー殴り殺したっけなあ……」
彡(゚)(゚)「……それにしても、相手はどんな奴やろか? ワイより大男とか?」
彡(^)(^)「まあデカブツも何人か再起不能にした事あるし余裕やろ!」

死にそう

これか
ちゃんと試合描写かんがえてきたか?

──試合当日──
「今日のカードは殺人鬼vs壊し屋らしいぞ」
「ンゴー! 残虐ファイトが見られそうやな」
「なんでも、死刑囚のほうは70人以上の人間を素手で殺した奴らしい」ザワザワ
「もう片方は殺人の経歴は無いらしいが、同じくらいの数の格闘家を再起不能にしたらしいぜ」ガヤガヤ
「どっちもヤベーやつだな……」ドヨドヨ

万引き無くなってて草

実況「皆さま、お待たせいたしました。本日のメイン、イベントが始まります!」
実況「青コーナーより、ワイ選手の入場です!!」
彡(^)(^)「〜♪」
観客「出てきたぞ!」「デッケェ〜〜ッ」「意外と間抜け面だな」
レニーさん「In the blllllluuuuuue corrrrner!! ワーーーーーーーーーイーーーーーーーーー!!!!!」

実況「……ワイ選手は、強盗致死傷、殺人、強姦致死傷、万引き……その他おびただしい罪によって死刑判決を受けた21世紀最悪のシリアルキラーです」
実況「素手で殺めた人数、なんと70人。再起不能にした人数も含めれば確実に100人は下らないでしょう。そんな大悪党が笑顔で花道を歩いている事に、いささか動揺が隠せません」
実況「格闘技術は素人ですが、身長208cm体重157kgという恵まれ体格を誇り、有り余る天賦の才で数多の人間の命を奪ってきた男。ワイ選手、リングイン!」

彡(^)(^)「はえーこんなに声援が……死刑執行のときもこんな感じやったらええのになぁ」
彡(゚)(゚)「そして……いよいよお相手と対面か」
実況「赤コーナーより、ゲン・ジウミン選手の入場です!!」

( ́・ω・`)「〜♪」
観客「出てきたぞ!」「ちっさ! 170cmちょっとじゃねーかよ」「アレで相手が務まんのか?」「顔はカワイイかも♥」
レニーさん「In the rrrrred corrrrner!!! ゲェェーーーーン・ジゥゥゥーーーーーーミィィイイーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!」
彡(゚)(゚)「……」
彡(゚)(゚)「(ただのチビじゃあらへんな。ワイと同じ、人を壊してきた奴に特有の匂いがするで)」

ほな対戦相手片付けるで

これ続きないやつじゃん

実況「……ゲン・ジウミン選手、堂々の入場です」
実況「ジウミン選手はBJJの使い手で、柔術世界選手権で4連覇を果たした達人です」
実況「しかし、表の格闘家だからといって侮るなかれ。ジウミン選手はこれまで数多の相手を再起不能に追いやりました。その全てがルールに則っているので”合法”的に、お咎めなしに、相手の選手生命を奪ってきました」

実況「着目すべきはその怪力。身長173cm体重79kgの小兵ながら、ベンチプレスのハイスコアは300kg! 握力はなんと500kg以上!!!」
実況「立てるようになってすぐ懸垂が出来た逸話があり、一度掴まれれば最後。そのまま肉を潰されるか、高速で技をかけられ障害を負わされます」
レフェリー「両者中央!」

彡(゚)(゚) (’・ω・`)
実況「ニラみ合いますッ対照的な2人がニラみ合いますッ」
実況「巨漢と小兵ッ! 達人と素人ッ! 死刑囚と格闘家ッ! 喧嘩殺法とブラジリアン柔術ッ!」
観客「(ンゴ)おおおおおおおおおおおおおおお」
「やれーワイー! ぶち殺せえええええ!!!」
「ジウミンー!!!この前みたいに相手の骨へし折れーーー!!!」
実況「共通点はただ一つ! 互いに兵器に匹敵する殺傷能力を持っている事だけ!」

これ途中で終わるやつやんけ

観客「「「おおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」」」
レフェリー「始めええええッッッッッ!!!!」カーン
( ́・ω・`)「……」タンタン
実況「ジウミン選手、両腕を伸ばし前足でリズムを刻むッ初期mmaにおけるブラジリアン柔術の構えです!」
彡(゚)(゚)「何や? 自分からは来ぉへんのか?」
実況「対するワイ選手は構えを取りません! ある意味で強者らしい、全くの棒立ちです!」

( ́・ω・`)「ブラジリアン柔術は護身術だからね。自ら攻めたりはしないよ」
彡(゚)(゚)「はーっ、壊し屋が抜かしよるわ」
彡(^)(^)「ほなワイから行くで! よろしくニキー!」
実況「ワイ選手が突っかけたァーッ!」

彡(゚)(゚)「オラッ」ブォン
実況「右の大振りィッ」
( ́・ω・`)「モーション丸見えだよ」スッ
実況「ジウミンあっけなくかわしました!」
彡(゚)(゚)「うっさいわボケ!」ブォン
実況「間髪入れず左ィッ」
( ́・ω・`)「当たらないって」スッ

あれ続きあるやん

彡(゚)(゚)「当たるまで打ったるわ! オラオラオラオラオラオラオラオラ!」バシュシュシュシュシュシュ
実況「パンチ! パンチ!! パンチィーッ!!! ワイ選手、暴風雨のような殺人ラッシュを浴びせかけています!!!!」
観客「すっげえええ!!!!」「速すぎて六本腕に見えるンゴォオオオオ!!!」「オクトパスワイやんけ!!!!!」
( ́・ω・`)「当たるときなんて来ないよ。プロの打撃に対策済みの僕が、素人のテレフォンパンチをかわせないわけないじゃん」ススススススッ
実況「しかし当たらないッ達人には当たらないッ! 羽のごとく舞うジウミン選手に、暴風雨は通じないィ〜〜〜ッ!!!」

あれ
続き考えてきたのか

頑張れや

( ́・ω・`)「……」
( ́・ω・`)(かわせてはいる。かわせてはいるけど……。有利に進めているとは言えない)
( ́・ω・`)(こいつのパンチは異常だ。受けたらガードごしに効かされて終わる)
( ́・ω・`)(ガス欠を待ってもいいけど、その前に僕が倒される可能性もゼロじゃない……)
( ́・ω・`)(賭けるしかない。次にストレートパンチが来たら受ける)

彡(゚)(゚)「まだまだ行くでオラッ!」ボッ
( ́+ω+`)「ぐわっ!」ゴツン
実況「当たったァッ! ストレートパンチ炸裂ッ! とうとうワイ選手の剛拳が壊し屋ジウミンをとらえました!!!」
彡(゚)(゚)「ファッ!? 何か当たったわ!!!」
(; ́・ω・`)(な、なんて拳だッッ……加速し終わったパンチに頭突きを合わせたのに、視界がグラつく……!!!)

( ́・ω・`)(けど、これで展開は変わった。よろめきながら後ろへ下がる僕を、ワイはきっと────)
彡(゚)(゚)「逃さんで! ワイがパンチだけやと思うなや!」ビュッ
( ́・ω・`)(やっぱり! 蹴りで追撃する!)
( ́・ω・`)「このときを待ちわびたよ」ヒュオッ
実況「ジウミン選手、疾風のタックル!」

ええやん

オクトパスワイ好き

実況「目の肥えた観客の皆様は当然ご存知でしょうが、組み技の強さは100%努力に比例します!」
実況「素人のラッキーパンチがプロボクサーに当たる可能性はあります。しかし組み技にそれはないッ組み技にラッキーはないッッ!!」
実況「ましてや完全に決まったからマウントポジションの脱出法は絶無! どうするワイ選手ゥーッッッ」
( ́・ω・`)「どうもさせないよっ!」ドゴ
実況「鉄槌だァッ! 全体重を乗せた鉄槌が振り下ろされたッ!」