藤原千花の悲哀

居場所を見つけたかと思われたワイはガイジ社会の格差に直面する
同じガイジの中でも抜きん出ているという事実に耐えられなくなり虚像と知りつつも藤原にすがりつく
そんなワイの姿は藤原の瞳さえくすませるほど汚かったが…

ワイ
「あうぅ!あうぅ!」
藤原
「ワイさん…お友達をガイジ呼ばわりするなんてガイジですよ」
ワイ
「ガイジや!ワイは!」
藤原
「ガイジが同情されなくなったら終わりなんですよ?」
ワイ
「あうぅ…」

藤原
「…居場所が見つかったって、あんなに喜んでたじゃないですか」
ワイ
「ワイは自分と同じ人がいるって思ってたんだよ!」
藤原
「…」
ワイ
「でもワイはワイだけでやっぱりガイジだったんだ!」
藤原
「はい…」
ワイ
「そこにいたのはワイなんかより社会性や才能があるエリートガイジだけだったんだよ…」
藤原
「ワイさんみたいなのしか居ないんじゃコミュニティは成立しませんからね…」
ワイ
「ホンマころすぞお前」
藤原
「事実です」
ワイ
「はい」

久しぶりに見た
フォールガイズはまだやってるのか?

藤原
「苦しいなら抜ければいいじゃないですか」
ワイ
「仕事でもないのに優しくしてくれる所なんてあそこしかないんだよ!」
藤原
「じゃあ居てくださいよ」
ワイ
「辛いもん!」
藤原
「…それは誰のせいですか?」
ワイ
「え…」

藤原
「確かにワイさんの家庭環境は劣悪でした、でも元々ワイさんはガイジとして生まれてきたんですよ」
ワイ
「それは…でも他の人たちは」
藤原
「ワイさんより酷い環境の人をあそこで沢山見てきましたよね?」
ワイ
「でも…でも…」
藤原
「その劣等感は何もしてこなかったワイさんのせいじゃないですか?」

ワイ
「うんやああああああああ!もういいもん!」ダッ
藤原
「…」
藤原
「…」
藤原
「どうして…ガイジなんですかね」
ガイジ

ワイはまあとびきりのガイジだったってことだよね

知ってたけどね

世の中のガイジを見てよ

テレビで見るようなガイジしか社会には必要ないんだよ

ガイジは自分で社会に居場所を作ることもできない

世の中いろんなガイジがいるけどワイはだめなガイジだったよ

うんうん

ガイガイ

藤原って誰や?

そんなことないよ

同じガイジでも当たり前が違うんだよね

藤原千花ちゃんっていう可愛い女の子だよ

そう言ってくれる気持ちは嬉しいけどやっぱりガイジなんだよ

いらないんだよね

ワイはネットじゃない居場所が欲しいんだけどできないんだ

近くにいるだけでしんどいからね

ガイジだよ

うんちぶりぶり

自分の力じゃないけどね

ワイはガイジだけど複合ガイジなんだよ

一つ一つ解いていかないと駄目なガイジのままなんだ

それに付き合える人はいないから全部一人でやらないといけないんだ

ガイジにはそんな能力は無いけどね

親は死ぬんだ

ワイを生きながらえさせている親はワイより先に死ぬんだよね

ダウン症と違ってワイは親を看取らないといけないんだ

ガイジなのは同じなのに

ガイジは一人で生きていけないのに

ドーンだYO

神がどうとか言わないけどさ

意味ないけどワイにはそれしかないんだよね

親が死んだあとはなんにもないんだよね

ここから付き合う小説書いて

ワイはガイジだから千花ちゃんとは付き合えないよ

ガイジかあ

ワイは絶対に子供作らないし作れないからいいけどさ

ガイジは無いほうがいいよね

子供作るってなってガイジになってほしい親はいないでしょ

生まれてきたから仕方がないだけでさ

普通じゃないんだよ

ガイジの中のガイジ

ディズニーランドに行った気分だ

USJでもいいよ

楽しい所にガイジは似つかわしくないね

どこにも居場所はないね

なんやこれ

害悪だよ

自分がガイジと知らぬまま自分の子供を作る

ガイジゆえに自己を見つめず好き勝手する

生まれてくるのもガイジ

メタ認知ができるガイジはひどいもんだよ

ガイジの頭に無理矢理健常者を詰め込むようなものだよ

ワイは感覚過敏だから身体を傷つけることはできないけどね

こうやって怠惰でいるのも立派な自傷行為だよね

しかもそれはなんの役にも立たない

そうしてる間に時間だけ過ぎていくんだ

でもお前には千花ちゃんがいるやん

よりガイジ更にガイジ

千花ちゃんには触れないんだよ

たのしそうやな

楽しくなりたいよ

あれこれやってみるガイジは何とかなるかもしれないよ

ワイは新しいことは滅多に始められないんだ

名作と言われる映画を見ることさえできない

見よう見ようと再生ボタンを睨むけど押せないんだ

家の中が窮屈でどこかに行きたいと思ってもどこにも行けない

玄関から出れてもすぐ帰ってくる

一人じゃ難しいんだよね

でもワイに付き合ってくれる人は親しかいない

親は仕事で忙しい

ワイがなんとかするしかない

そのワイはガイジ

これがガイジだよ

同じことの繰り返し

つまらなくて新しいことをしたい

でも何もできないやろうともしない

それはワイがガイジだから

みんな愛想を尽かしていくんだよね

そりゃ人作れば不出来なのもできるよ

取り返しがつかないのもいるよね

ワイがそれだったってだけなんたよ

ワイみたいなのは今も生まれて死ぬか一人でいるかなんだよね

どうしてなんだろう

どうしてそれがワイなんだろう

ガイジである必要がどこにあるの

ガイジ

障害年金も貰えないガイジはなんの得にもならない

こんなガイジはどうにもできない

見世物になるにも人の助けがいるからね

金にならないことで時間をつぶすしかないんだよ

藤原
「…居場所が見つかったって、あんなに喜んでたじゃないですか」
ワイ
「ワイは自分と同じ人がいるって思ってたんだよ!」
藤原
「…」
ワイ
「でもワイはワイだけでやっぱりガイジだったんだ!」
藤原
「はい…」
ワイ
「そこにいたのはワイなんかより社会性や才能があるエリートガイジだけだったんだよ…」
藤原
「ワイさんみたいなのしか居ないんじゃコミュニティは成立しませんからね…」
ワイ
「ホンマころすぞお前」
藤原
「事実です」
ワイ
「はい

それにも金がかかる

純粋な損失だよ

小指?

ガイジもお腹が空く

ワイはコロナのワクチンを受けられないかもね

まあコロナもガイジには関わりたくないかもね

あまり元気じゃないよ

健康診断してないけど悪くなってると思うよ

ガイジの相手はガイジってなってるんだよ

健常者には理解できないしする価値もないからね

か

ガイジ!

藤原
「…居場所が見つかったって、あんなに喜んでたじゃないですか」
ワイ
「ワイは自分と同じ人がいるって思ってたんだよ!」
藤原
「…」
ワイ
「でもワイはワイだけでやっぱりガイジだったんだ!」
藤原
「はい…」
ワイ
「そこにいたのはワイなんかより社会性や才能があるエリートガイジだけだったんだよ…」
藤原
「ワイさんみたいなのしか居ないんじゃコミュニティは成立しませんからね…」
ワイ
「ホンマころすぞお前」
藤原
「事実です」
ワイ
「はい」?