寝られないのかい？ぼうや…

そうか…

じゃあおじさんが昔話をしてあげようか…

おじさんはね、昔海の上で働いてたんだよ…

ううん…漁師さんじゃないんだ…

ぼうや〜よいこだねんねしな

おじさんはぞうさんの牙をこっそりもって帰っちゃう仕事をしてたんだよ…

おじさん!?

とても悪いことだよ…

おやすみ

あの日もそんな悪い仕事をしてた時だった…

ぞうさんの牙を船につんで今から帰るぞってときのことだよ…

ジジイ随分せっかちやな

二週間前船に乗ったばかりのジョージがどこにもいないんだ…

みんなで夜遅くまで探したけど結局どこにもいなくてね…

今もなんjやってるし対して変わんねーだろ

それでそれで?

置いていく訳にもいかないから滞在期間を伸ばしたんだ…

おじさん達は少人数でやってたからね…団結意識が強かったんだよ…

しかし2日、3日と立ってもジョージは見つからなかった

邪淫って知ってるかな…

ジョージが見つかったのはそれから一週間後のことさ…

ジョージ死んだの!?

掴まれよ

再放送キタコレ

と言ってもジョージは半分しか見つからなかった…

レイシストおじさんを許すな

腰から上半分だけが見つかったんだ…

ペース早えんだよジジイ

場所は船の冷蔵庫…

第一発見者の舵取りのモリーはあれ以来未だにお肉が食べられないんだってさ…

船の中での事だ、犯人は多分自分達の中にいる…

嘘松

おじさん達の一行は疑心暗鬼に包まれた…

おじさん早いよ

ジョージと仲良しだったグリンデルは三日みばん泣いてたっけ

それでもまたお日さまは昇る…

こんばんは⎛ ́・ω・`⎞

次の日ジョージをみんなで埋葬したよ…ぞうさんの牙を取った半島にね…

はえーよボケ

その日の夜はみんな固まって寝たんだ…

交代で二人ずつ起きて見張りをしてね…

4時間くらい早いわ

まだ早い

おじさん連投すごい…

なんか語ってる…⎛ ́・ω・`⎞

そしていよいよおじさんの見張りの番って時だ…

おじさんけ?

おじさんは一睡も出来なかったから起きてたんだけどね…

おじさんの前の見張りのガブリエルとキャロルが時間になっても帰ってこないんだ…

ETとおじさん交互に見てるよ

やめようね!

おじさんは二人を探したよ…皆を起こしてから全員でね…

二人は島の拠点にしてた小屋で見つかった…

二人とも血まみれで横たわってたよ…

そして二度と起きなかったんだ…

おじさんたちもまいっちゃってたんだろうね…

早くない?

一連の事件の犯人がキャロルで最後は自殺したと信じこんじゃったんだ…

看守A「334番、ワイ! 出ろ! 釈放だ!」
彡(゚)(゚)「釈放? シャバで52人、ムショで18人を殴り殺したワイが釈放なんか?」
看守A「本当は死刑囚を野に放ちたくないが、上からの意向だ」「全くコイツを釈放させるなんて上は何考えてるんだ?」

あの優しいキャロルがそんなことするわけないのにね…

彡(゚)(゚)「……」
彡(゚)(゚)「4年前、ワイは強盗致傷、殺人、殺人未遂、強姦致傷、万引き……様々な罪で逮捕された。当然死刑判決や」

彡(゚)(゚)「ムショに入ってからは喧嘩を売ってくる囚人を暇つぶしに撲殺。脱獄をゲーム感覚で繰り返してたっけ。身長2m超、体重は160kg弱。生まれつきフィジカルが強く、ムカついたら手が出て、いつのまにか殺していた」
彡(・᷄)(・᷅)「そんなワイが…釈放?」

それから数日たった…

───数時間後
(ヽ ́ん`)「やあワイくん。私が釈放を命じた者だ。お腹は空いてるかね? ムショでは食べられないものをなんでも用意しよう」
彡(゚)(゚)「……おっさん、何が目的なんや?」
(ヽ ́ん`)「…..やはりそのことから話すべきかな。君は地下闘技場を知っているかい?」
彡(゚)(゚)「地下闘技場……漫画でよくあるやっちゃな」
(ヽ ́ん`)「その通りだ。ここ日本にも存在する」
彡(゚)(゚)「……ほんで、ワイが出るってことか?
」
(ヽ ́ん`)「飲み込みが早いね。その通りだ」

おじさんたちは国に帰っていた…

(ヽ ́ん`)「地下闘技場には私のような資産家同士が財産を賭けて勝ち取るために、見込んだファイターを雇う」
彡(゚)(゚)「……それでワイに白羽の矢が立ったっちゅーことか」
(ヽ ́ん`)「その通り。いつもはプロ総合格闘家上がりなんかを雇っているんだけどね?」
(ヽ ́ん`)「今回の相手はちょっと特殊でね。君と同じ人種だが、”合法的”に人体を破壊し続けているタチの悪い奴なんだ」
(ヽ ́ん`)「闘いぶりがあまりにも凄惨なものだから、ウチで雇っていた闘士が怯えて逃げ出してしまってね」
(ヽ ́ん`)「そこで、そいつの代わりにくだんの壊し屋と闘ってほしいんだが、どうかね? もちろん報酬は弾むよ」
(ヽ ́ん`)「もし怖いというのなら、無理強いはしない。直ちに刑務所に戻してあげよう」

──試合前夜──
彡(゚)(゚)「シャバの飯は美味いなあ……ムショで賄賂と引き換えに喰ったゴミ肉なんかより万倍ええわ」
彡(゚)(゚)「食った後で毒仕込まれてた事に気付いてソッコー殴り殺したっけなあ……」
彡(゚)(゚)「……それにしても、相手はどんな奴やろか? ワイより大男とか?」
彡(^)(^)「まあデカブツも何人か再起不能にした事あるし余裕やろ!」

おじさん早く結末をおしえて

同時進行はキツイよおじさん!

汚らわしい殺人鬼と一緒にね…

──試合当日──
「今日のカードは殺人鬼vs壊し屋らしいぞ」
「ンゴー! 残虐ファイトが見られそうやな」
「なんでも、死刑囚のほうは70人以上の人間を素手で殺した奴らしい」ザワザワ
「もう片方は殺人の経歴は無いらしいが、同じくらいの数の格闘家を再起不能にしたらしいぜ」ガヤガヤ
「どっちもヤベーやつだな……」ドヨドヨ
実況「皆さま、お待たせいたしました。本日のメイン、イベントが始まります!」
実況「青コーナーより、ワイ選手の入場です!!」

彡(^)(^)「〜♪」
観客「出てきたぞ!」「デッケェ〜〜ッ」「意外と間抜け面だな」
レニーさん「In the blllllluuuuuue corrrrner!! ワーーーーーーーーーイーーーーーーーーー!!!!!」
実況「……ワイ選手は、強盗致死傷、殺人、強姦致死傷、万引き……その他おびただしい罪によって死刑判決を受けた21世紀最悪のシリアルキラーです」
実況「素手で殺めた人数、なんと70人。再起不能にした人数も含めれば確実に100人は下らないでしょう。そんな大悪党が笑顔で花道を歩いている事に、いささか動揺が隠せません」
実況「格闘技術は素人ですが、身長208cm体重157kgという恵まれ体格を誇り、有り余る天賦の才で数多の人間の命を奪ってきた男。ワイ選手、リングイン!」

ジャックとイザベラは帰ってすぐに船を降りたよ…

情報量

彡(^)(^)「はえーこんなに声援が……死刑執行のときもこんな感じやったらええのになぁ」
彡(゚)(゚)「そして……いよいよお相手と対面か」
実況「赤コーナーより、ゲン・ジウミン選手の入場です!!」
( ́・ω・`)「〜♪」
観客「出てきたぞ!」「ちっさ! 170cmちょっとじゃねーかよ」「アレで相手が務まんのか?」「顔はカワイイかも♥」
レニーさん「In the rrrrred corrrrner!!! ゲェェーーーーン・ジゥゥゥーーーーーーミィィイイーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!」

彡(゚)(゚)「……」
彡(゚)(゚)「(ただのチビじゃあらへんな。ワイと同じ、人を壊してきた奴に特有の匂いがするで)」
実況「……ゲン・ジウミン選手、堂々の入場です」
実況「ジウミン選手はBJJの使い手で、柔術世界選手権で4連覇を果たした達人です」
実況「しかし、表の格闘家だからといって侮るなかれ。ジウミン選手はこれまで数多の相手を再起不能に追いやりました。その全てがルールに則っているので”合法”的に、お咎めなしに、相手の選手生命を奪ってきました」
実況「着目すべきはその怪力。身長173cm体重79kgの小兵ながら、ベンチプレスのハイスコアは300kg! 握力はなんと500kg以上!!!」
実況「立てるようになってすぐ懸垂が出来た逸話があり、一度掴まれれば最後。そのまま肉を潰されるか、高速で技をかけられ障害を負わされます」

だからしょうがなかったんだ…

ET見たかったなぁ

レフェリー「両者中央!」
彡(゚)(゚) (’・ω・`)
実況「ニラみ合いますッ対照的な2人がニラみ合いますッ」
実況「巨漢と小兵ッ! 達人と素人ッ! 死刑囚と格闘家ッ! 喧嘩殺法とブラジリアン柔術ッ!」
観客「(ンゴ)おおおおおおおおおおおおおおお」
「やれーワイー! ぶち殺せえええええ!!!」
「ジウミンー!!!この前みたいに相手の骨へし折れーーー!!!」
実況「共通点はただ一つ! 互いに兵器に匹敵する殺傷能力を持っている事だけ!」
彡(゚)(゚)「あんさん、運が悪いな。ハンバーグのタネみたいにしたるで」
( ́・ω・`)「口が悪いねぇ……まあ、絞首台まで車椅子で行くようにしてあげるよ」

ジャックとイザベラがその後すぐに殺されていたのを知ったのは全てが終わった後だった…

何も知らない間抜けなおじさんはその後も普通に海の上で生活しててね…

ガブリエルとキャロルて
絶対ウォーキングデッド見たやろ

数日そんな生活が続いた後の事だよ…

船長でおじさんの親友でもあったジョンソンが自殺した…船でね…

おじさんは悲しくて悲しくて…

あくあくあく

誠意のある男だ…きっと責任を感じてたんだってね…

もっと深夜にやれおじさん
金曜の夜、22時台とか起きてる子多いやろ

偽物じじい

…
その時はそう思ってしまったんだ…

レイシストおじさん

これで船のメンバーはおじさんとハワードとアレックスとモリーとグリンデルだけになっちゃった…

流石に仕事は続けられなくてね…
船団は解散したよ…

そして船も売ることになって…おじさんは一人で荷を整理しに船に入ったんだ

だからおじさんがそこでアレを見つけたのは本当にたまたまだったんだ…

おじさん?!

( ́・ω・`)「……」タンタン
実況「ジウミン選手、両腕を伸ばし前足でリズムを刻むッ初期mmaにおけるブラジリアン柔術の構えです!」
彡(゚)(゚)「何や? 自分からは来ぉへんのか?」
実況「対するワイ選手は構えを取りません! ある意味で強者らしい、全くの棒立ちです!」
( ́・ω・`)「ブラジリアン柔術は護身術だからね。自ら攻めたりはしないよ」
彡(゚)(゚)「はーっ、壊し屋が抜かしよるわ」
彡(^)(^)「ほなワイから行くで! よろしくニキー!」
実況「ワイ選手が突っかけたァーッ!」

探って見るとどうやら少しの力で開けられるようになっててね

ドワイトハワードがリング取るのはなんかちゃうわ

彡(゚)(゚)「オラッ」ブォン
実況「右の大振りィッ」
( ́・ω・`)「モーション丸見えだよ」スッ
実況「ジウミンあっけなくかわしました!」
彡(゚)(゚)「うっさいわボケ!」ブォン
実況「間髪入れず左ィッ」
( ́・ω・`)「当たらないって」スッ
彡(゚)(゚)「当たるまで打ったるわ! オラオラオラオラオラオラオラオラ!」バシュシュシュシュシュシュ
実況「パンチ! パンチ!! パンチィーッ!!! ワイ選手、暴風雨のような殺人ラッシュを浴びせかけています!!!!」
観客「すっげえええ!!!!」「速すぎて六本腕に見えるンゴォオオオオ!!!」「オクトパスワイやんけ!!!!!」
( ́・ω・`)「当たるときなんて来ないよ。プロの打撃に対策済みの僕が、素人のテレフォンパンチをかわせないわけないじゃん」ススススススッ
実況「しかし当たらないッ達人には当たらないッ! 羽のごとく舞うジウミン選手に、暴風雨は通じないィ〜〜〜ッ!!!」

…

中から出てきたのは肉切り包丁さ…モリーのだ…

( ́・ω・`)「……」
( ́・ω・`)(かわせてはいる。かわせてはいるけど……。有利に進めているとは言えない)
( ́・ω・`)(こいつのパンチは異常だ。受けたらガードごと骨を効かされて終わる)
( ́・ω・`)(ガス欠を待ってもいいけど、その前に僕が倒される可能性もゼロじゃない……)
( ́・ω・`)(賭けるしかない。次にストレートパンチが来たら受ける)
彡(゚)(゚)「まだまだ行くでオラッ!」ボッ
( ́+ω+`)「ぐわっ!」ゴツン
実況「当たったァッ! ストレートパンチ炸裂ッ! とうとうワイ選手の剛拳が壊し屋ジウミンをとらえました!!!」
彡(゚)(゚)「ファッ!? 何か当たったわ!!!」
(; ́・ω・`)(な、なんて拳だッッ……加速し終わったパンチに頭突きを合わせたのに、視界がグラつく……!!!)

拭いてあったけど血の臭いがした…まあ肉切り包丁から血の臭いがしても不自然じゃあないんだけどね…

でも見つかった場所が不自然だ…持ち主の違いもね…

実況「目の肥えた観客の皆様は当然ご存知でしょうが、組み技の強さは100%努力に比例します!」
実況「素人のラッキーパンチがプロボクサーに当たる可能性はあります。しかし組み技にそれはないッ組み技にラッキーはないッッ!!」
実況「ましてや完全に決まったからマウントポジションの脱出法は絶無! どうするワイ選手ゥーッッッ」
( ́・ω・`)「どうもさせないよっ!」ドゴ
実況「鉄槌だァッ! 全体重を乗せた鉄槌が振り下ろされたッ!」
( ́・ω・`)「……………」ドガッドガッドガッドガッドガッ
実況「おおっ、試合序盤をそのままひっくり返したような光景ですッ! 攻め続けるジウミン選手に対し、ワイ選手なすすべがなァーーーいッッッ」
( ́・ω・`)「……………」ドガッドガッドガッドガッドガッ
実況「しかし、序盤と比べると大きな相違点があります! ジウミン選手は最後の一発を除き全てを避けましたが、動けないワイ選手には全弾が直撃しています!!!」

まだ寝る時間じゃねえよ

グリンデルがモリーの包丁を使って罪を被せようとした…おじさんはそう解釈した…

( ́・ω・`)「……………」ドガッドガッドグチャッビチャッグチャッグチャッ
彡(-)(-)「……………」
実況「あ……りゅ、流血しています。ワイ選手の顔の傷から溢れる血が……闘技場の地面に血溜まりを作っています……」
観客「なあ、そろそろヤバくね?」「流石に死んだろアレ……」「こんなに惨い試合は初めて見るわ……」ザワザワ

実況「場内は静けさを増しつつあります。実況であるわたくしも、あまりの凄惨さに喉が強張ります」
( ́・ω・`)「……………」グチャッグチャッグチャッグチャッグチャッグチャッ
( ́・ω・`)「……………ふぅ」
( ́・ω・`)「……ま、こんなもんかな。力だけの素人がイキがるからこんな目に合うんだよ」
( ́・ω・`)「地獄で後悔しな」

だからグリンデルの部屋にあった包丁の話をみんなにしたしグリンデルを警察につきだした…

悪いおじさんが警察につきだすなんてナンセンスな話だけどね…

(; ́・ω・`)「そ、そんなに……壊されたいなら……」
( ́●ω●`)「壊してあげるよ!!!」フワッザザザッ
実況「ジウミン選手マウントをやめて……?」
( ́●ω●`)「腕をブッ壊してやる!!!!!!!」
実況「上腕ひしぎ十字固めだァッッッ」
観客「うおお完全に極まったァッ」「ジウミィーン骨の折れる音を聞かせてくれェーッ」
( ́●ω●`)「ムゥウッ……!」
彡(゚)(゚)「………………」
彡(-)(-)「ハァ、こんなもんかいな」
( ́・ω・`)「え?」
彡(゚)(゚)「そんなんじゃワイの腕は折れんぞ」
( ́・ω・`)「なっ……」
(; ́・ω・`)(ハッタリだ! ありえない! ここからの返し技は無い!)

グリンデルは最後まで罪を認めなかったよ…

彡(゚)(゚)「よっ……」
実況「ワイ選手、自由に動かせる片手で地面を抑えます」
(; ́・ω・`)(ここからの返し技は────)
彡(゚)(゚)「こい……」
実況「両脚を浮かせて……?」
彡(゚)(゚)「せっ!」
(; ́・ω・`)「なっ…………!!!」
観客「おお……」「ば、バケモンだ……」
実況「かっ────」
実況「片手倒立です! ワイ選手、自重とジウミン選手の体重をッ合計236kgをッ片腕一本で支えています!!!!」
彡(゚)(゚)「ジウミン、お前ベンチプレスのハイスコアが300kgなんやって?」
彡(゚)(゚)「ベンチプレスってなんや仰向けに寝っ転がって、腕だけで重り持ち上げるんやろ?」
彡(^)(^)「ワイも似たようなんした事あるで! 軽トラに轢かれたとき下からひっくり返したんや!」
(; ́・ω・`)「そ、そんな……軽トラは軽くても700kgはある……ベンチプレスの世界記録は500kg程度なのに……!!!」

でもね…

今思えばおかしいんだよ…

彡(゚)(゚)「ほな、終わらせるで」グォッ
実況「ワイ選手、片手で高く跳んだァッ!!!」
観客「たっけぇ〜〜〜ッッッ」「3m近く跳んでるよッッッ」
(; ́・ω・`)(ダ、ダメだ! 想定外だ! ブラジリアン柔術の技術体系はこんな化物を想定していない!!!)
彡(^)(^)「お前が下になるんやで!」グルングルルン
実況「ワイ選手空中で体勢を変えるゥッッッ!!」
(; ́・ω・`)(不覚)(腕ひしぎを外された)(後ろから覆い被さられている)(このまま着地したら死ぬ)(関節を取ってエスケープ)
( ́・ω・`)「あ」
( ́・ω・`)(間に合わな)
ドグチャアッ!!!!
( ́◯ω◯`)「…………………」ピクピク
彡(゚)(゚)「ふぅ……ま、こんなもんやろ」

ガブリエルとキャロルが見張りから帰って来なかった夜…おじさんとペアでスタンバってたのはグリンデルなんだ…

実況「わ……」
実況「技ではありませんでした……ワイ選手の投げとも言えぬあの動き……空中で相手の背中におぶさり、着地によって全体重をぶつけるアレ……」
実況「ゲン・ジウミン選手にとっては、236kgの重りが高速で腹部に衝突したの同義です……」
実況「勝ったのは、技でありませんでした……怪物の力が、技を下しました」
実況「なんという男でしょう、ワイ! 比類なき達人に対し、この尋常ならざる素人が当てたのはたったの二発!」
実況「しかしその二発でッ素人が達人を葬りましたッッッ」
彡(゚)(゚)「『葬りました』? アホ抜かせや。アイツはまだ生きとるがな」
彡(^)(^)「ま、内臓も骨もメチャメチャやろけどな! たまにはブッ壊されるんも悪ないやろ!」
実況「皆さん、惜しみない称賛をッッ! この前代未聞の素人にッッ空前絶後のルーキーにッッ割れんばかりの歓声をッッッ」
観客「「「うおおおおおお!!!!!」」」「「「「「「ワーイッ! ワーイッ! ワーイッ! ワーイッ!」」」」」」

おじさん早くしてよ!

グリンデルにはガブリエルとキャロルが殺された夜のアリバイがあったんだ…

( ́◯ω◯`)「」ガバッ
実況「とっ」
実況「飛びつきました! ゲン・ジウミン選手、ワイ選手の背中に飛びつきました!」
観客「うおっ!」「死んだフリしてたのか!?」「いや、違う! 今も失神したままだ!」
( ́◯ω◯`)「」ギュルルッギチッ
実況「なんという事でしょう! 壊し屋ゲン・ジウミン、気を失ったまま裸締めを仕掛けます!」
彡;(゚)(゚)「ぐぉ……やる……やんけ……」
( ́◯ω◯`)「」ググッギギギッ
実況「信じられない状況です! 重傷を負って尚ッ意識を失って尚ッ達人は技を忘れない!!! 壊し屋は己の二つ名を忘れない!!!!!!!」
( ́◯ω◯`)「」ギギギギギ……

そしておじさんとアレックスとモリーとハワードだけが残ったよ…

( ́◯ω◯`)(ブラジリアン柔術があったからだ……)
( ́◯ω◯`)(親も無く、孤児院でも友だちができず、学校ではイジメられていた……)
( ́◯ω◯`)(毎日傷だらけで帰ってくる僕を見かねた先生はブラジリアン柔術の道場をすすめてくれた)
( ́◯ω◯`)(初めてだった。初めて強くなれた気がした。初めて価値のある人間になれた気がした)
( ́◯ω◯`)(でも、イジメっ子に抵抗するのは怖くてできなかった……)
( ́◯ω◯`)(ある日、孤児院のキュウリ畑が荒らされているのを見て────)
( ́◯ω◯`)(気付いたときはイジメっ子たちが全身の関節を逆方向に曲げて倒れていた)
( ́◯ω◯`)(僕の人生はそのときやっと始まったんだ……)
( ́◯ω◯`)(ブラジリアン柔術があったから、僕は僕でいられたんだ)

サスペンスで草

おじさん最低だな

街でばったりあってね…
積もる話もあったからお店に入ったんだ…

( ́◯ω◯`)「」フワッ
実況「支えを失ったジウミン選手が崩れ落ち────」
彡(゚)(゚)「ありがとうな」ドボッ
実況「ボディブロー一閃……」
実況「ジウミン選手の胴に……風穴が空いています……」
場内「」シーン
レフェリー「勝負ありッッッ」
実況「決着……。勝者、ワイ!!!」
彡(゚)(゚)「…………」
彡(−)(−)「…………」

ん?

パチパチパチ…………
彡(゚)(゚)「!」
ドオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!
観客「ワイー!!!! ナイスファイトだったぞー!!!!」「ジウミーン!!! お前の男気忘れねーぞー!!!!!」「二人共アリガトォオオオオッッッッッ」
彡(゚)(゚)「……………」
彡(−)(−)「フッ」
彡(^)(^)「ガッハッハッハ! なんやコイツら! 人殺し見て大騒ぎしやがって頭おかしいんか!」
彡(^)(^)「まま、ええわ。サンキューガァーッツ!!! 次も応援よろしゅうなーーーッ!!!」
実況「ワイ選手が両腕を振って我々にサービスしています! 死刑囚であるはずの彼の姿からは不思議と血の臭いはせず、何かこう、爽やかなものが感じられます!」
実況「そしてそれは我々も同じでしょう! 血みどろの殺人劇を目にしながら、我々の心は軽やかに浮き上がっています!」
実況「ファイト・イズ・ビューティフル! 闘いは美しい!」
実況「ファイターズ・アー・ビューティフル! 闘士たちは美しい!!!」

眠くなってきたよクソじじい

ハワードとは色々な話をしたよ…事件の話もね…

────ケンモ邸
(ヽ ́ん`)「いやぁ、凄かったね。あのゲン・ジウミンに圧勝とは」
彡(゚)(゚)「ま、所詮は人間レベルやからな。人間がいくら鍛えてもヒグマには勝てんのと同じや。技があってもワイには勝てん」
(ヽ ^ん^)「はっはっは! 並の闘士の台詞なら鼻で笑うところだが、あの馬鹿力を見た後ではそうもいかんな!」
彡(゚)(゚)「せやろな……」
(ヽ ́ん`)「…………」
彡(−)(−)「フー…………」
(ヽ ́ん`)「どうしたんだい? 楽しそうに見えないが」
彡(゚)(゚)「ん? ああ、いやな」
彡(゚)(゚)「ジウミンの奴、倒したと思うとったのに起き上がったやろ?」
彡(゚)(゚)「アレが何や妙にまぶたの裏に焼き付いてなぁ」

(ヽ ́ん`)「ふむ。罪悪感かな? 死刑囚らしくもないね」
彡(゚)(゚)「アホ抜かせお前! 人ぶん殴る度にそんななってたら70人も殺さへんわ!」
彡(゚)(゚)「ただ……なんやうらやましなぁおもて」
(ヽ ́ん`)「羨ましい? おいおい、君には自殺願望があったのかい?」
彡(゚)(゚)「そんなキッショいのとちゃうわ」
彡(゚)(゚)「ただ……なんやろな……ワイは追いつめられたことがないから」
彡(゚)(゚)「追いつめられたときにワイがどうするのか知りたいんや」
彡(゚)(゚)「ああいうふうに闘い続けられると思っとるが、確かめずに言い切るんはフカシやろ?」
彡(゚)(゚)「せやから、確かめるチャンスがあったジウミンがうらやましいんや」
(ヽ ́ん`)「ほう……存外に哲学的な事を言うね」

ハワードは言ったよ…ジョンソンもジョージもキャロルもガブリエルもみんなみんな殺したグリンデルが許せないって…

彡(^)(^)「まま、そんなチャンスは永久に来ないやろけどな! 地下闘技場やいうから期待しとったのに、全然そんなことなかったしな!」
(ヽ ́ん`)「ははは、それは頼もしい。私の提案は聞き入れてもらえそうだね」
彡(゚)(゚)「提案?」
(ヽ ́ん`)「ああ。君の闘ったゲン・ジウミンは、地下闘技場においては決して強者ではない。せいぜい中堅といったところなんだ」
(ヽ ́ん`)「地下闘技場正闘士には四つの等級がある」

ハワードはすごく怒ってたよ…

アレックスは精神を病んでて会ってもあまりはなせなかったっけ…

モリーと再開したのは事件から13年後のことだったね

(ヽ ́ん`)「目突きと金的と噛み付きを禁じられたC級」
(ヽ ́ん`)「一切の禁じ手なし、本物のバーリトゥードを許された達人揃いのB級」
(ヽ ́ん`)「そのB級闘士が手も足も出せない、超人集団のA級」
(ヽ ́ん`)「そして、わずか4名しか存在しない人外の戦士たち、S級……」
(ヽ ́ん`)「ゲン・ジウミンはB級のトップに過ぎない。そして彼に勝った今、君はA級の最下位者となった」
(ヽ ́ん`)「A級ではこれまでのような打たせる闘い方は通用しない。君に匹敵するパワーと体格に、神がかった技量を合わせ持つ超人たちだ」
(ヽ ́ん`)「君はそこで勝ち進め、やがてはS級に挑んでほしいのだが……どうかね?」
(ヽ ́ん`)「もし怖いというのなら、無理強いはしない。直ちに刑務所に戻してあげよう」

5時間早いよおじさん

おじさんはこの時グリンデルの無罪にまだ気づいてなかったんだよ…

久しぶりに合うモリーは結婚してたよ…二児の母だったね…

彡(^)(^)「ハッ! おっさん、そのセリフ口癖なんか?」
彡(゚)(゚)「もちろん受けたるわ。ワイ以上の恵体にテクニック備えた奴がおるとかめっちゃおもろいやん」
彡(゚)(゚)「ワイは敗北を知りたいんや」
終

お肉が食べれないって言ってお魚のお店で会ったっけ…

ジョージの断面に見えた内臓が頭から離れないんだってね…

サクサク進んでて草生えた