ワイは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の部長を除かなければならぬと決意した。

ワイには仕事がわからぬ。ワイは、只の営業である。ホラを吹き、パチ屋で遊んで暮して来た。
けれども残業に対しては、人一倍に敏感であった。きょう未明ワイは会社を出発し、野を越え山越え、三里はなれたこのマルハンの市にやって来た。
ワイには地位も、金も無い。女房も無い。無数の、内気なゴキブリと二人暮しだ。

弊社は、街の或る律気な一新卒を、近々、新入社員として迎える事になっていた。
入社式も間近かなのである。ワイは、それゆえ、新入社員の歓迎会やら新入社員の無根拠な輝きやらを避けに、はるばる市にやって来たのだ。

先ず、仕事だとホラを吹き、それから店内の大路をぶらぶら歩いた。ワイには竹馬の友があった。ユニコンティウス(319)である。
今は此のマルハンの市で、機械代の回収をしている。その友を、これから訪ねてみるつもりなのだ。

久しく逢わなかったのだから、訪ねて行くのが楽しみである。歩いているうちにワイは、ホールの様子を怪しく思った。ひっそりしている。
もう既に日も傾いて、そとの暗いのは当りまえだが、けれども、なんだか、外のせいばかりでは無く、店内全体が、やけに寂しい。

これな、走れメロスの改変なんやで!

伸びなかったんだから諦めなよ

のんきなワイも、だんだん不安になって来た。路で逢った若い店員をつかまえて、何かあったのか、十日まえに此の市に来たときは、夜でも台が歌をうたって、店は賑やかであった筈だが、と質問した。
若い衆は、首を振って答えなかった。

仕事が分からぬのは困るやろ…😰

しばらく歩いて老爺に逢い、こんどはもっと、語勢を強くして質問した。老爺は答えなかった。
ワイは両手で老爺のからだをゆすぶって質問を重ねた。老爺は、あたりをはばかる低声で、わずか答えた。

ワイも職場の店長と一触即発や

なっが
取り敢えずNG登録

「おどろいた。店長は乱心か。」
「いいえ、乱心ではございませぬ。人を、信ずる事が出来ぬ、というのです。このごろは、店員の心をも、お疑いになり、少しく派手な出玉をしている台には、一層の釘締めを命じて居ります。
御命令を拒めば店員は会議にかけられて、詰められます。私事ですがきょうは、四人の諭吉が殺されました。」

これすき

文豪やね

「おまえがか?」部長は、憫笑した。
「仕方の無いやつじゃ。おまえには、営業の仕事がわからぬ。」
「言うな!」とワイは、いきり立って反駁した。
「人の心を疑うのは、最も恥ずべき悪徳だ。部長は、部下の忠誠をさえ疑って居られる。」
「疑うのが、正当の心構えなのだと、わしに教えてくれたのは、おまえだ。人の心は、あてにならない。人間は、もともと私慾のかたまりさ。信じては、ならぬ。」
暴君は落着いて呟き、ほっと溜息をついた。
「わしだって、平和を望んでいるのだが。」

これ面白いのに完結してないの悲しい

「なんの為の平和だ。自分の地位を守る為か。」こんどはワイが嘲笑した。
「罪の無い人を叱りつけて、何が平和だ。」
「だまれ、無能。」笹本は、さっと顔を挙げて報いた。
「営業の口では、どんな清らかな事でも言える。わしには、営業の腹綿の奥底が見え透いてならぬ。おまえだって、いまに、懲戒免職になってから、泣いて詫びたって聞かぬぞ」

「ああ、部長は悧巧だ。自惚れているがよい。私は、ちゃんと働く覚悟で居るのに。命乞いなど決してしない。ただ、――」
と言いかけて、ワイは足もとに視線を落し瞬時ためらい、
「ただ、私に情をかけたいつもりなら、二日間の猶予を与えて下さい。たった一社の担当が、弊社の商品導入に乗り気なのです。二日のうちに、私は現場に見積もりを挙げさせ、必ず、契約を獲って来ます。」

もうあんま内容覚えてないからどれくらいパロディになっとるんかよく分からんな

今日は完結させろ

これ全部読めってこと?

それを聞いて笹本は、残虐な気持で、そっと北叟笑んだ。生意気なことを言うわい。どうせ契約出来ないにきまっている。
この嘘つきに騙された振りして、放してやるのも面白い。ついでに坂東とかいう男に、ワイから密告があったと伝えてやるのも気味がいい。
人は、これだから信じられぬと、わしは悲しい顔して、その坂東とかいう男を山口営業所送りに処してやるのだ。
世の中の、正直者とかいう営業にうんと見せつけてやりたいものさ。

「願いを、聞いた。その契約をとってくるがよい。二日目には定時までに帰って来い。おくれたら、その取引先とお前の首を、きっと貰うぞ。
ちょっとおくれて来るがいい。おまえの罪自体は、永遠にゆるしてやろうぞ。」
「なに、何をおっしゃる。」
「はは。私は会社が大事だから、おくれて来い。おまえの性根は、わかっているぞ。」

ワイは口惜しく、地団駄踏んだ。ものも言いたくなくなった。

仕事がわからぬちょっとすき

これ最初に作ったやつめちゃくちゃ暇だったんか

唯一の後輩、坂東ティウスは、外回り後、会議室に召された。暴君笹本の面前で、先輩と後輩は、数時間ぶりに相逢うた。
笹本は、坂東に一切の事情を語った。坂東ティウスは無言で慄き、ワイをぎろと睨みつけた。後輩なんかは、それでよかった。
坂東は、こっぴどく締め上げられた。ワイは、すぐに出発した。
キコーナ、満天のネオンである。

ワイはその夜、一勝もせず五里の帰路を急ぎに急いで眠りについた。
会社へ到着したのは、翌日の午前、陽は既に高く昇って、同僚たちは野に出て仕事をはじめていた。
ワイの直属の上司も、きょうは事務所で何か作業をしていた。颯爽と歩いて来るワイの姿を見つけて驚いた。
そうして、うるさくワイに罵声を浴びせた。

「朝イチに呼ばれてまして。」ワイは無理に取り繕おうと努めた。
「先方に用事を残して来た。またすぐ先方に行かなければならぬ。あす、先月の領収書を纏めて挙げる。早いほうがよかろう。」
課長は顔をあからめた。

「うれしいか。この前ヘコませたバンパーも直して来た。さあ、これから行って、経理たちに知らせて来い。私の先月分領収書は、あすだと。」
ワイは、また、颯爽と歩き出し、席へ帰ってEXCELファイルを開き、数字を入れたり消したりし、間もなく机に倒れ伏し、呼吸もせぬくらいの深い眠りに落ちてしまった。

眼が覚めたのは昼過ぎだった。ワイは起きてすぐ、取引先を訪れた。そうして、少し事情があるから、契約を明日にしてくれ、と頼んだ。
先方は驚き、それはいけない、こちらには未だ何の書類も来ていない、せめて見積もりは出してくれ、と答えた。
ワイは、待つことは出来ぬ、どうか明日にしてくれ給え、と更に押してたのんだ。
先方も頑強であった。なかなか承諾してくれない。夕暮れまで議論をつづけて、やっと、どうにか先方をなだめ、すかしたが、説き伏せられた。

ユニコンティウスだけすき

牙狼も、満面に金色を湛え、しばらくは、笹本とのあの約束をさえ忘れていた。

演出は、遊タイム到達直前に入っていよいよ乱れ華やかになり、ワイは、外の豪雨を全く気にしなくなった。

ワイは、一生このままここにいたい、と思った。この佳い台たちと生涯暮して行きたいと願ったが、いまは、社畜のからだで、自分のものでは無い。
ままならぬ事である。しかしワイは、わが身に鞭打ち、ついに天井まで追うことを決意した。

あすの定時までには、まだ十分の時が在る。ちょっと一眠りして、それからすぐに言い訳を考えよう、と考えた。その頃には、怒りも小ぶりになっていよう。少しでも永くこの環境に愚図愚図とどまっていたかった。
ワイほどの男にも、やはり未練の情というものは在る。

今宵呆然、ヤケ酒に酔っているらしい坂東に電話し、
「栄転おめでとう。ワイは脅されてしまったから、ちょっとご免こうむって白状しただけだ。
眼が覚めたら、すぐに各課に出かけろ。最後の挨拶をするのだ。
私がいなくても、もうおまえには優しい自然があるのだから、決して寂しい事は無い。
おまえの先輩の、一ばんきらいなものは、人を疑う事と、それから、嘘をつく事だ。おまえも、それは、知っているね。
会社との間に、どんな秘密でも作ってはならぬ。おまえに言いたいのは、それだけだ。
おまえの先輩は、たぶんエラい男なのだから、おまえもその誇りを持っていろ。」

坂東は、話途中で電話を切った。ワイは、それからスマホの画面をたたいて、
『遠隔操作当たり前の糞ボッタホール。無双のシマでも、出ているのは、サクラと軍団だけだ。他には、何も無い。
全部ベタピン鬼釘。もう一つ先の、キコーナに行ったほうがマシ。』★☆☆☆☆
牙狼は遊タイム直前にして、当たっていた。
ワイは笑って監視カメラたちにも会釈して、ホールから立ち去り、自宅の兎小屋にもぐり込んで、死んだように深く眠った。

眼が覚めたのは翌る日の始業の頃である。ワイは跳ね起き、南無三、寝過したか、いや、まだまだ大丈夫、これからすぐに出発すれば、昼休みの刻限までには十分間に合う。
今宵は是非とも、あの暴君に、私の処世術を見せてやろう。そうして笑って会社の足元にしがみついてやる。ワイは、悠々と身仕度をはじめた。

おそらく怒りも、いくぶん小ぶりになっている頃合いである。身仕度は出来た。
さて、ワイは、ぶるんと両腕を大きく振って、雨中、亀の如く走り出た。

長いだの読みづらいだの言ってる奴は低学歴か?
普通メロスぐらい半分は頭に入ってるものやろ

私は、今宵、怒られる。怒られる為に出社するのだ。身代りの後輩を弔う為に出社するのだ。
暴君の奸佞邪智を打ち破る為に出社するのだ。弁明しなければならぬ。そうして、私は許される。

昨日より長いな

支援

若い時からの居場所を守れ。さらば、坂東。若い左遷は、つらかろう。幾度か、吹き出しそうになった。
えい、えいと大声挙げて自身を叱りながら歩いた。

そろそろ終盤か?

おもしろい

昼休みまでに完結させてくれ

家を出て、ビルを横切り、高架をくぐり抜け、会社近辺に着いた頃には、雨も止み、日は高く昇って、そろそろ暑くなって来た。
ワイは額の汗をこぶしで払い、ここまで来れば大丈夫、もはや坂東への未練は無い。

読み入るのは完結してからや

もうちょい

坂東は、きっと佳い営業になるだろう。ワイには、いま、なんの気がかりも無い筈だ。まっすぐに会社に行き着けば、それでよいのだ。
そんなに急ぐ必要も無い。ゆっくり歩こう、と持ちまえの呑気さを取り返し、好きな小歌をいい声で歌い出した。

正直おもろい

ぶらぶら歩いて二歩行き三歩行き、そろそろ全行程の半ばに到達した頃、降って湧いた災難、ワイの足は、はたと、とまった。見よ、前方のラーメン屋を。

おとすな

これ何を思ってどういう状況で書いてんのか気になる

坂東カワイソス

坂東かわいそう

きのうのふて寝で夕食を逃し、朝の遅刻で朝飯も逃した身に、猛勢一挙に胃を刺激し、どうどうと響きをあげるような匂いが、木葉微塵に理性を跳ね飛ばしていた。ワイは茫然と、立ちすくんだ。

もうすこし

流石に長い

ユニコンティウスは草

今川やから次は山賊やね

食券機と眺めまわし、また、Google Mapのレビューを調べたててみたが、低評価は残らず高評価に浚われて影なく、サクラの姿も見えない。
食欲はいよいよ、ふくれ上り、海のようになっている。

改変終わってから一気に貼らんと