女剣士「私は剣の名家、貴方のような貧民上がりには負けない」俺「どうだろうな」シュッ 

未分類
1:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:55:17.70ID:3XQ4nUAM0

キンキンキンキン!
俺「ついていける!」
女剣士「嘘…!」
俺(この日の士官学校の決闘祭のために半年、彼女の剣の流派を研究した甲斐があった)
女剣士「こんな試合、お父様も失望する…」
女剣士「この私が、貧民の我流剣士なんかに負けるわけには…!」ブワッ
審判(これは殺す気の一撃だ…!)ゾクッ
俺(来る、炎刀流奥義・絶炎華!)
俺「我流奥義、絶炎返し!」カァンッ
女剣士「う、そ….こんな、ことは…」ドサッ
審判「しょっ、勝負あり! 決勝戦、俺選手の勝利です!」
観客「うおおおおおお!」


2:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:55:25.19ID:3XQ4nUAM0

二年後…
友「士官学校、最後の決闘祭も大詰めだね」
友「三年連続俺君の優勝かなあ」
俺「どうだろうな。イケメンの奴、今年は実家絡みでとんでもない師匠を見つけてたみたいだ」
俺「俺でも勝てるかどうか…」
クラスメイト「おい、準決勝戦でイケメンが敗れたぞ!」
俺「!」
友「は、はぁ!? 何かの間違いだろ!」
俺「相手は…」
クラスメイト「女剣士って奴だよ。去年、決闘祭はベスト8まで勝ち残ってなかったはずだけど…」
俺「女剣士…!?」
俺(馬鹿な、あいつは俺に敗北してから士官学校に来なくなったはずだ…)
俺(てっきりショックで学校を辞めさせてしまったのかと心配していたが…)


4:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:55:37.31ID:TUb0mae80

働けニート


5:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:55:38.85ID:3XQ4nUAM0

女剣士「ふ、ふふ…やっと、やっと貴方に再戦できる」ニヤ
俺「ど、どうしたんだ、その身体…」
俺(酷使しすぎてボロボロ…筋肉がむしろ貧相になっている。明らかなオーバーワークで身体を壊している!)
女剣士「二年間、貴方が、憎くて憎くて、仕方ありませんでした」
俺「あれは、正当な決闘で…!」
女剣士「私は父様の自慢の娘…貴族家の家督を継ぐはずだったのに!」
女剣士「決闘祭で我流の貧民相手に遅れを取って家の名に泥を塗ったと、家を追い出され…家名を失い…!」
女剣士「私の全てだった…人生そのものだった、炎刀流の使用さえ禁じられた!」
俺「そ、そこまで…!」


6:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:55:48.37ID:3XQ4nUAM0

女剣士「それもこれも、全てっ! 貴方が、あのような節操のない、卑劣な手段で私を負かしたせいで!」
俺「ひ、卑劣な手段…?」
女剣士「貴方は、私の炎刀流の奥義を破るためだけの技を半年掛けて編み出して、切磋し続けていた…!」
女剣士「あんな、あんな技…! 実力では私が勝っていた! だというのに!」
女剣士「あまりに陰険…!」
俺「…相手の技に対応した返し技を使うのが、卑怯だと?」
女剣士「ここは戦場じゃない! 学生が他の学ぶべきことを蔑ろにして、あんな技を覚えるなんて…!」
俺「俺は、貴女をそれだけ警戒して…同時に、尊敬していた」
女剣士「!」
俺「貴女の家がそれ程厳しいとは知らなかった、申し訳ないことをしたとも思う」
俺「だが、それ以上世迷言を吐いて失望させないでくれ」


7:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:55:56.44ID:3XQ4nUAM0

女剣士「…そうね、貴方と口論をしにしたわけじゃない」スッ
女剣士「始めましょうか」
俺「…そんな痛々しい身体で、試合なんてしていたら…取り返しのつかないことになるぞ」
女剣士「黙れ! 私は、とっくに引き返せないんだよ!」タァン
俺(以前より遥かに速い!)
キンキンキンキン!
キンキンキンキン!
俺「うぐっ…この立ち回りは!」
女剣士「どう? 決定打が、全く出せないでしょう?」ニマァ
女剣士「この二年間…ずっと、ずうっと貴方だけを観察し続けて、貴方だけを想い続けてきたの」
女剣士「今日この日の立ち合いのために」
女剣士「どれだけ、この日を恋い焦がれていたか…」ハァハァ
女剣士「まさか、卑怯とは言わないわよね?」ニコォ
俺「……」ゾクッ


8:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:56:09.92ID:3XQ4nUAM0

俺(ダメだ…このままだと、相手の剣筋に破綻なんか作れるわけがない!)
俺(女剣士は、俺よりも俺の剣筋に詳しい)ゾォッ
女剣士「…右手を上げる、下げて掬い上げようとする」ブツブツ
俺「う、動きを完全に読まれた!?」
女剣士「魔禁流奥義・天道貫」ゴウッ
ドスッ
俺「うぐっ、太腿を…!」
俺「お、俺の負け…」
女剣士「何を言っているの? まだ戦えるでしょう?」
俺「は…?」


9:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:56:14.72ID:mWReTb7G0

イッてしもた…


10:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:56:20.02ID:3XQ4nUAM0

俺(確かに、足が動く…? 出血も、少ない…)
俺(いや、違う。きっちり重要な神経を削られてる)ゾクッ
俺(あいつは、ギリギリ決闘のストップが入らない外傷で抑えつつ、俺に後遺症を残して剣士生命を断つつもりだ!)
女剣士「気づいたみたいですね。もっとも、降参やストップが入ってもその前に殺して差し上げますが…」
女剣士「このまま甚ぶられてくれるのなら、全身麻痺で許してあげましょう…ふふ、ふふふふ…」
女剣士「責任を取って、生涯介護して差し上げますよ。夢絶たれた貴方が無様に生き続ける様を、一生横で嘲笑ってあげます」
女剣士「さあ、次は左腕の膝をいただきましょうか」


12:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:56:41.89ID:3XQ4nUAM0

俺(守りに徹しろ! 相手の剣筋を見極めろ!)
キンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキン!
女剣士「まるで、二年前とは正反対の展開になりましたね!」
女剣士「貴方の剣術を探りながら迎え討とうとする私と、私の剣を研究してきた貴方!」
女剣士「結果もきっと、そうなるでしょうね!」
俺(落ち着け……奴の剣術に対して、俺の剣術が詰んでいるわけじゃあない)
俺(かといって、か細い隙を狙う余裕はない!)
俺「賭けに出させてもらうぞ!」バッ
俺「我流奥義・虎牙閃!」ギュンッ
女剣士「……」ニィッ
女剣士「前回の決着を忘れたようですね! 虎牙返し!」


13:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:56:52.07ID:3XQ4nUAM0

女剣士(勝った…勝った…勝った! 私が、私が、あの剣士に勝った…!)ハァハァ
女剣士「フフ、フフフフ…!」
俺「…我流奥義・猫崩れ」シュッ
女剣士「えっ…」
ドスッ
女剣士「…どうして? どうして?」ガクン
俺「…お前なら、虎牙閃を破ってくると思っていた」
俺「猫崩れは、俺がずっと前に、虎牙閃の直線的で読まれやすい弱点を補うために考えた技だ」
俺「途中から動きを分岐する。虎牙閃のように荒々しくなく、ふわりと動いて間合いを詰める」
俺「もっとも…今日まで、使う機会はなかったがな」


14:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:57:02.57ID:3XQ4nUAM0

女剣士「そんな…そんな、どうして、ここまでしたのに…どうして?」
俺「…戦術を、対策に絞り過ぎたからだ。だから動きを読まれる。俺は、弱みにはちゃんと補う術を用意している」
審判「しょ、勝利、俺! 士官学校決闘祭、三連覇だ!」
女剣士「どうして、どう、して…」ブツブツ
俺「……」


17:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:57:44.40ID:3XQ4nUAM0

三年後…王都にて
俺「任務を終えました。騎士長様」
騎士長「うむ、ご苦労だった。思っていたより、ずっと早くに戻ってきてくれるね、キミは」ニイ
騎士長 「さすがは士官学校、決闘祭三年連続優勝の快挙を果たした男だ」
騎士長「私でも、優勝は二年時に一度だけだったよ」
俺「……」
騎士長「…ふうむ、キミは影があるね」
俺「すいません、決闘祭には苦い思い出があって」
騎士長「ほう?」
俺「…三年たった今でも、行方不明のままなんです。決勝戦の相手が」
騎士長「……」
騎士長「…そうか、キミがいつも探しているのはその女か」


18:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:57:58.41ID:mWReTb7G0

カウパーでベトベトや


19:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:58:03.88ID:3XQ4nUAM0

俺「すいません、反応に困りますよね。こんな話」
騎士長「いや…優秀な部下の悩みだ。私も捜してみるさ」
俺「…ありがとうございます」
騎士長「と、ところで、その娘のことを気にかけているようだが…君のその、恋人か何かだったのかな?」
俺「え? いえ、特にそういうわけではありませんでしたが…」
騎士長「そ、そうかい」ゴホンッ
俺「……?」
騎士A「大変です騎士長様! 騎士Bが、死体で……例の殺人鬼に殺されたのかもしれません」バッ
騎士長「な、なんだと? まさか、あの騎士Bがやられるとは」
俺「何の話でしょうか?」
騎士長「お前が任務に出ている間に、王都に通り魔が現れたのだ…。被害は、既に十三人を超えている」
俺「なっ!」
騎士長「騎士Bまで殺されたとなれば…かなりのやり手だ。二人組でパトロールに当たった方が良さそうだな」


20:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:58:36.21ID:3XQ4nUAM0

騎士長「こんな遅くに出歩くな! 早く戻れ!」
街人「す、すいません!」
俺「…出歩く人は減りませんね。本当に、危うい事態なのに」
騎士長「真剣に罰金でも課すべきだろうか」ハァ
ドサッ…
騎士長「…何の音だ?」
俺「俺が確認します」サッ
騎士長「馬鹿者、不用意に逸れるな!」
女剣士「禁魔流・羅刹」ガシュッ
騎士長「がっ!」
女剣士「あら…外れた。心臓を不意打ちで貫く技なのに」
女剣士「でも、その外傷じゃ無駄! 天道貫!」ザスッ
騎士長「あ、あ、あ…」ドサッ
女剣士「フ、フフ、首の神経を削ったわ。これで貴女ももう、動けないお人形さん」



21:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:58:37.17ID:LjcIFzD0x

ト書き


22:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:58:46.72ID:3XQ4nUAM0

女剣士「羅刹! 羅刹!」ガシュッ、ガシュッ
俺「そんな不意打ち前提の技が当たるか!」ガンッ、ガンッ
ザクッ
俺(防ぎきれなかった…横っ腹、持っていかれた…)ガハッ
女剣士「ああ、あら、ごめんなさい、貴方の身体に傷をつけるつもりはなかったのに」ペロッ
俺(俺の血を、美味そうに舐めてやがる…)ゾッ
女剣士「貴方、私が思っていた程強くはなかったのね」シュッ
女剣士「手足落としで達磨にして、ずぅっと、生涯愛してあげるわ」ハァハァ
俺(不意打ちとはいえ、騎士長に致命傷を与えた剣の腕は、明らかに俺より数段上だ!)
俺(こいつは狂ってるが、俺と覚悟が違う!)


24:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:59:05.39ID:3XQ4nUAM0

女剣士「わざわざその技を仕掛けて来るなんてね」
女剣士「愛している貴方のことなら…私、なんでも知っているのよ」ペロッ
女剣士(とはいえ、猫崩しへの変化は、見てからは対応できない)
女剣士(勝負するなら、二分の一に賭けることになる)
女剣士(技量で勝ってる私は、下がって守りに徹して、この剣技の相手をしないのが正解だけど…)
女剣士「アハ、いいわ、乗ってあげる! 貴方の覚悟、逃げずに受け止めてあげる! 貴方と私、賭けに負けた方が死ぬことになるわ!」


25:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:59:17.74ID:3XQ4nUAM0

女剣士(あの人の性格上……一度猫崩しを見せている以上、ここはそのまま虎牙閃で突っ込んでくるはず…!)
俺「……」シュッ
女剣士(ほら来た! ここまで来て姿勢を変えていないということは、猫崩しに変化する気がないということっ!)ググッ
女剣士(なぜなら、ここまで来てしまったら、私の剣を避けられないから!)
ザシュッ
女剣士「アハ、私の勝ち……このまま追撃で……!」スカッ
女剣士「え……?」
俺「……猫崩し」ザクッ
女剣士(確実に猫崩しを通すために、わざと私の攻撃を受けるまで引き付けてから変化した……?)


26:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 21:59:32.33ID:3XQ4nUAM0

俺「…もう、剣を握れないだろう?」ゼェゼェ
女剣士「あ、ああ…」プルプル
女剣士「あが……」ドサッ
俺「決着が…着いたな…」ゼェゼェ
俺(この怪我…俺ももう、剣士をやってられないかもしれないな)
女剣士「勝てなかった…最後まで、勝てなかった…あれだけやったのに、全て、無意味に…」
俺「女剣士…」
女剣士「でもこれで! 貴方の心と身体に、一生消えない深い傷を残すことができた! ウフフ、アハハハ!」
俺「……」


28:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:00:07.40ID:3XQ4nUAM0

女剣士「見なさい! この首飾りの、骨の欠片…これ全部、私が殺してやった人間なのよ!」
女剣士「貴方と! 私で! 殺した数なの!」
女剣士「そこの騎士長さんも、貴方が人生を奪ったようなものなのよ!」
女剣士「もう首から下が動かないの!」
女剣士「あの人…ずぅっと生き地獄を味わい続けるのよ! アハ、アハハハハ!」
俺「…そうだ、俺の罪だ。そして、ここで終わらせる」ジャキン
女剣士「…………」ポタ
女剣士「……早く、殺して。お願い、貴方の手で……」
俺「…………」


29:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:00:16.83ID:RDCHWYH+0

人形遊び楽しいか?


30:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:00:18.29ID:3XQ4nUAM0

女剣士「ごめんね…全部、八つ当たりなの。わかってた」ポタポタ
女剣士「本当は初めて負けたあの日……あの日から、きっと貴方のことが好きだったんだと思う」
俺「……っ!」
女剣士「…私は家が厳しかったし、見合い結婚することが決まっていたからそういう感覚に疎かったし…何より初恋だったから、わからなかった」
女剣士「凄く家が厳しくって…でもあの頃はそれが普通だと思ってて」
女剣士「どこに矛先向けたらいいのかわからなくって…それで、ずっと貴方を目の敵にしていたけど…」
女剣士「本当は憧れたかったし、大好きになりたかったの」


31:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:00:17.99ID:0B+UZP0H0

世 紀 末 救 世 主 伝 説


32:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:00:23.56ID:0DpSxi3Rd

俺(俺の【ステータス】の奇跡は、設定を弄れば、相手の好きな詳細を見れる)
俺(性格から才能、病気から性体験までなんでも暴ける)
俺「ハハハハ! もっと金ができたら奴隷トレーダーで儲けるのも悪くないかもしれないな! 株みたいに!」
俺「……今の持ち金は八十万ゴールド、綺麗どころの性奴隷は簡単に二百万ゴールドくらいに乗っちまうからな」
俺「なんとか安くて優良な奴を当てておきたい。最悪多少ブスでもいいか、また売ればいいだけだし」


66:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:02:58.05ID:3XQ4nUAM0

>>32
なんで荒すんや
何が目的である


33:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:00:24.33ID:9p1Socb80

何回再放送するねん


34:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:00:26.50ID:3XQ4nUAM0

女剣士「もっと、別の場所で会えたら…」
俺「…一年の頃、名家の天才剣士がいるって聞いて…ずっと憧れで、目標にしていたんだ」
俺「そうでもなったら…わざわざ奥義返しなんて、編み出すもんか…」
女剣士「…そっか、両想いだったんだ」ニコ
女剣士「…………」
女剣士「……お願い」
俺「……」シュッ
ザクッ


35:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:00:33.56ID:0DpSxi3Rd

奴隷商人「キキ、旦那、初顔ですかい?」
俺「あ、ああ、わかるのか?」
奴隷商人「ええ、この場になれてないってウブな顔だ」
奴隷商人「安くしときますぜ、今後仲良くやっていくためにもね」ニマァ
俺(……不気味な奴だな)
俺(まぁ、ボラれることはないか。俺の【ステータス】に、都内市場価値をセット……これで確実に足許を見られないで済む)


37:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:00:44.47ID:0DpSxi3Rd

奴隷商人「この子はどうですかい? 耳長ですよ」
俺「……エルフか、美人だが」
エルフ「……」ギロッ
◆◆
種族:エルフ
年齢:215
性格:人間嫌い
病気:マンドラゴラ病
経験:258人
特筆:魔力高
市場価値:400万ゴールド
◆◆
俺「ひぇっ」
奴隷商人「どです? んんー、390万ゴールドくらいで?」
俺「うーん……悪いが、あまり金も持ってないもので」
奴隷商人「なんだ、そうかい。もう少し手頃なのを見繕ってあげようかね」
俺(……いきなりハードなもの見せられちまった、嫌な背景がありあり想像できる)



39:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:00:55.82ID:3XQ4nUAM0

女剣士「…………」
俺「…………」ハァハァ
俺(なんで、俺は外した……! 決めただろ、覚悟……!)ギュッ
騎士「騎士長様!」
騎士「奴が殺人鬼か! 大丈夫かっ! 俺!」
俺「うっ…」
女剣士「……臆病者」ボソッ
女剣士「…………」ガンッ
俺「ガハッ!」
俺(蹴飛ばされた……!)ゲホッ


42:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:01:07.68ID:0DpSxi3Rd

女の子「…………」
俺「こ、この子は……」
奴隷商人「へへへ……下取りで、得意先様から押し付けられちゃった娘で」
奴隷商人「ほら、左目の周りとか凄いでしょ? 脱いだらもっと酷いですよ」
俺「どうするんですか……?」
奴隷商人「まあ……ここまで酷いと、何もしなくても来週には死ぬでしょうね」
俺「…………」


43:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:01:16.92ID:0DpSxi3Rd

奴隷商人「拷問好きのお客さんなら買われるかもしれませんね。殺しても惜しくないわけだし」
俺「拷問好きの」
奴隷商人「そういう人に他の子と抱き合わせか、五万ゴールドくらいで捌こうかなと」
俺「買います」
奴隷商人「……え?」
俺「買いますと、言ったんだ。売り物なんだろ」
奴隷商人「旦那……? いやぁ、でも、止めておいた方がいいですよ? 新入りにこんなの掴ませたなんて噂が広がると、私も……」
ジャラッ
俺「八十万ゴールドある。これで文句ないだろ」


44:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:01:18.29ID:3XQ4nUAM0

女剣士「……」ヨロ、ヨロ
女剣士「…………」チラッ
俺「…………」
騎士「逃げるぞ! 追えっ!」
女剣士「…………」バッ
俺(騎士長様……すいません……女剣士……ごめん……)ポタポタ


45:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:01:26.64ID:0DpSxi3Rd

俺「ふう……どうにか急ぎで、予備のポーションが売れてよかった」
俺「パンを切って、野菜とハムを挟んで、ゆで卵スライスを加えて……香辛料はまだあるな」
俺「よし、即席サンドだ! 俺のこっちでの好物なんだけど」
女の子「…………」
俺(ダメ……か)オドオド
女の子「…………」モグモグ
俺「……!」パアッ


46:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:01:32.48ID:lyRgNwUF0

なんや落ちてたんか
続きは貼れるんやろな


47:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:01:34.27ID:3XQ4nUAM0

―一週間後―
騎士C「あれが、犯罪者と前騎士長様の仇を逃がした奴か…」
騎士D「おい、止めろ」
俺「…………」
騎士C「事実だろうがっ! あいつはあの時、あのアマを殺せてた!」
騎士C「それを……!」
騎士C「お前、聞こえてるんだろ! 何とか言えよ!」ガッ
俺「…………」
騎士C「何か言ってみろよおっ!」ボロボロ
騎士C「知ってるんだろ? 騎士長様は今、ベッドに寝た切りで……」ウッ、ウウ
俺「…………」
騎士D「…怪我人相手だ、止めろ」


48:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:01:34.65ID:9p1Socb80

ちっゴレームとの同時上映やめろ


49:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:01:37.12ID:0DpSxi3Rd

俺(……しかし、食べ方、綺麗だな。こっちの世界では珍しいぞ。この子、教育のしっかりしている家で育ったのかもしれない)
女の子「…………」
俺「なぁ、もしかして貴族の家柄とか……」
女の子「……!」ビクッ
俺「そんなわけないか」
女の子「い、嫌ッ! 嫌ッ!」
俺「お、おい、どうしたんだ!」
女の子「やだぁ! 嫌だ、やだぁ! やめて! やめてください!」


50:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:01:47.13ID:MOtv7amo0

約2000年前
彡(゚)(゚) 「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!! )」
彡(゚)(゚)「…」
彡(^)(^)


51:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:01:49.56ID:3XQ4nUAM0

―半年後―
騎士D「そろそろ復帰したらどうだ? 元天才騎士よ」
俺「…………」
騎士D「いい加減にしろ! 何もしないお前を庇っているのも、もううんざりなんだよ!」ドンッ
俺「もう……以前のように動かないんだ、俺の腕」
俺「天道貫に、ほとんどやられてる。左手の握力は未だに元の半分以下だよ」プランプラン


52:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:01:50.18ID:0DpSxi3Rd

女の子「ごめんなさい! ごめんなさい! 生まれてきてごめんなさい!」ガクガク
俺「お、落ち着け! 安心しろ! 俺は絶対に酷いことなんてしないから! な?」ギュッ
女の子「ごめんなさい、ごめんなさい……」ガクガク
俺「ここにはお前に酷いことする奴は一人もいない! 俺がそんなことさせない! だから大丈夫だ!」
女の子「……うう、うう……」
俺(よ、よし、落ち着いてきたか……)ナデナデ
俺「…………」
奴隷商人『まあ……ここまで酷いと、何もしなくても来週には死ぬでしょうね』
俺(お、俺が……俺が、どうにかしてあげないと)


54:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:02:01.29ID:0DpSxi3Rd

―ある豪邸―
女侯爵「どうかしら、例の娘?」
部下「は……奴隷市場に売られ、その後、娼館へ流れ着いたようです」
部下「その後、性病が発覚して、貧民街の最低位の娼館、通称【便所穴】に落とされたようですな」
部下「死ぬより辛い目に遭われたことかと」
女侯爵「ホホホ、それでいいわ。あんな泥棒猫の娘、当然の末路ね」
女侯爵「ねぇ、これでわかったでしょう? 貴方は、私だけ見ていればいいの」ギロ
夫「……」
女侯爵「何か言いたいことがありそうねぇ? 別にいいわよ、また夜遊びしても」
部下(恐ろしいお人だ……夫の妾を拷問死させ、その子供まで地獄に突き落とすとは)ゾオッ
部下(民衆から吸血侯爵と恐れられるだけはある)


55:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:02:09.03ID:MOtv7amo0

ローマ人(アカン)
ロ「せや、トイレ作ったろ!」
トイレを作ったのはローマが最初ではないが、彼らは特にその重要性を理解していた。当たり前だよなあ?
彡(゚)(゚)「糞が溜まりっぱなしンゴねえ…」
彡(^)(^)「まあええやろ」


56:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:02:13.62ID:0DpSxi3Rd

女侯爵「……で、今その娘はどうなってるの?」
部下「え……? い、いえ、【便所穴】に落とされ、死んだのでは?」
女侯爵「確認していないの? とんだ無能ね」ギロッ
部下「しし、しかし! 死んだにきまっています!」
女侯爵「万が一ってこともあるでしょうがああああ! あのゲロブスの娘が生きているかもしれないと思うと、気が気じゃないのよおおお!」バンッ
部下「ももも、申し訳ございません!」
女侯爵「いいことを考えたわ。娼館に連絡して、死体を取り返しなさい。あの人に見せつけてあげるわ」ニマア
部下「は、はは、はいい!」



57:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:02:14.51ID:3XQ4nUAM0

騎士D「それを言い訳にしているだけだろうが!」ガッ
俺「…………」
騎士D「……お前、酒臭いぞ」
俺「いいだろ? どうせ何もしないんだから」
騎士D「なっ…!」
俺「もうクビにしてくれ」
俺「あの殺人鬼も、しばらくは暴れてたけど、もうすっかりなんだろ?」
俺(多分…俺が出てこなかったからだろうな)
騎士D「この、クズが!」ガンッ
俺「うぐっ!」


58:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:02:27.95ID:0DpSxi3Rd

―冒険者の酒場―
俺「……そういや、昼飯も後回しにしたまま、まだだったんだよな。もう夕刻か」グウ
俺「あーあ、全財産渡したのは馬鹿だったなぁ」ポリポリ
剣士「あの感じ悪いオッサンいるじゃん」
槍使い「ああ、強そうだったから誘ったら鼻で笑いやがった奴だな。誰に対してもあんな調子だとよ」
剣士「なんか頼んで回ってるみたいだが……馬鹿にされてるみたいだな」
槍使い「だろうよ、いいザマだ」


60:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:02:33.41ID:5a8dAVEM0

はよ↓の続きはってくれや
女剣士「貴方の利き腕、もらっちゃった。ウフ、ウフフフ」ハァハァ
俺「……くれてやったんだ。お前にな」


61:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:02:36.06ID:MOtv7amo0

ロ「いかんでしょ」
ロ「せや、下水道作って川に流したろ!」
彼らの作った下水道は非常に出来が良く、現在のローマ市でも使われている。
彡(゚)(゚)「川に糞が流れとる」
彡(^)(^)「飲んだろ!」


62:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:02:37.73ID:0DpSxi3Rd

俺「な、なぁ、アンタ、以前はその、悪かった」バッ
剣士「うわ、こっち来たwww笑うわwww」
剣士「アンタじゃなくて、剣士さんだが?」
槍使い「おい、止めとけ、こいつ短気でクズだって……」
俺「す、すまない、剣士さん、その、訊きたいことがあるんだ」バッ
剣士「wwww」
槍使い「…………」


64:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:02:49.33ID:4SGewKGF0

こわい
読んでてむかついたんか


65:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:02:49.86ID:0DpSxi3Rd

俺「白魔導士を、探してるんだ……それも、最低でもB級以上の」
俺「もう時間がなくて、遠出して会いに行く猶予はないんだ」
俺「頼む、噂でもいい、何か知っていることがあったら……!」
剣士「知るかよそんなの! この都市に、そう都合よくB級の凄腕白魔導士がいるわけないだろバカかよ」
俺「……そう、ですよね」
槍使い「……貧民街に、仙人と呼ばれている白魔導士の男がいるらしい」
剣士「おい、お前……!」
槍使い「キナ臭い話だがな、行くなら気を付けろ」
俺「ありがとう、ございます。行ってみます」ペコッ


67:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:03:19.66ID:MOtv7amo0

ロ「!」
ロ「トイレは身分に関係なくすべての人が集い、無防備な姿をさらす場所や。コミュニケーションの場として利用するやで!」
ローマのトイレは共同で壁がなく、いつもにぎわっていた。現代でも真似して、どうぞ。


68:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:03:20.32ID:0DpSxi3Rd

―翌日―
女の子「ごほ、ごほ」
俺「わ、悪い、連れ回して……。背負おうか?」
「見ろよ、あいつ、病持ち連れてるぜ」
「あの目、魔毒の症状じゃないか? よく触れるわ……」
「あんな汚物、表に出すなよなぁ、非常識だなあ」
女の子「…………」
俺「うるせぇぞテメエらぁ! お前達に、この子の何がわかる!」
女の子「!」
「おいおいあいつ、目に涙浮かんでんぞ」
「ビビってんじゃねぇか。無理するなよ雌犬の飼い主さん」


72:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:03:59.33ID:MOtv7amo0

ロ「アカンこれじゃ国民は死ぬゥ!」
ロ「手を洗うところも作ったろ!」
当時のトイレには手洗い場があり原始的な石鹸が置いてあることもあったらしい。はぇ〜すっごい…

彡()()「トイレ使わしてクレメンス…」
( ́・ω・`)「だめです」
彡()()「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!! )」


73:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:04:07.30ID:0DpSxi3Rd

―貧民街―
俺(噂通りの、小汚い、変わった頭の形の爺さんだ……)
俺「あなたが、仙人さんですか……?」
浮浪者「よーお、貴族の遣いが頼みに来るね。そんなこと言って」カカカ
浮浪者「そっちの子が病持ちか」ジロッ
女の子「…………」
浮浪者「で、ゼニは持ってるか?」
俺「う……その、金目のものなら……」
浮浪者「ほーう」


75:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:04:19.51ID:0DpSxi3Rd

俺(足りるか……? 大したものは持っていない)
俺(相場を確かめるべきだったか……)
俺(いや、その前に、こいつが本物かどうか確かめておいた方がいい。確認事項を【ステータス】にセットして……)
◆◆
種族:ヒューマン
年齢:64
性格:狡猾
技能:【ペテン:B】【カリスマ:C】
◆◆
俺「なっ!」


76:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:04:30.41ID:3XQ4nUAM0

―二年後・廃棄街の闘技場―
司会「さあ、賭けた賭けた!」
司会「今日の試合は無敗の剣士俺ェ! そして、正体不明の仮面男!」
司会「夢のドリームマッチだあああ!」
観衆「うおおおおお!」
観衆「当然、俺に賭けるぞお! あいつが負けるところは想像できねぇからなあ!」
俺「…………」フラフラッ
仮面男「テメェが、百連勝剣士か。近くで見るのは初めてだな」


78:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:04:33.55ID:0DpSxi3Rd

浮浪者「どうしたか?」
俺「か、帰らせてもらう! この子には時間がないんだよ!」
浮浪者「はぁ……お前ら、出番だ」
孤児A「…………」ザッ
孤児B「…………」ザッ
孤児C「…………」ザッ
女の子「……!」ギュッ
俺「……なんの、つもりだ?」
浮浪者「ゼニ持ってる、わざわざ病気の治療のために暢気にこんなとこ入り込むお貴族様にはわからんか?」
浮浪者「噂でカモ呼び込んで、身ぐるみはがすんだよ。こんなふうにな」ギロッ
浮浪者「お前ら仕事や、どっちも殴り殺せ。女も犯すんじゃないぞ、あれは汚物の塊だ」


80:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:04:42.05ID:3XQ4nUAM0

仮面男「おい、何か言ってみたら…」
俺「……騎士長、ですか?」
仮面男「はあ?」
俺「ごめんなさい、ごめんなさい…」
俺「俺のせいで、こんな…」
仮面男「おい、何言ってやがる。別人だ」
俺「違う、のか…?」
仮面男(なんだ、妙だぞ)



81:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:04:45.32ID:0DpSxi3Rd

浮浪者「叩き殺せ、毒女の血は浴びるなよ。穢れるぞ」
孤児A「……」バッ
女の子「きゃぁぁぁっ!」
俺「ぐっ!」バッ
グサッ
孤児A「……」ニイ
女の子「お、俺さん!」オドオド
俺「だ、大丈夫だ、浅い……。はは、初めて名前呼んでくれたな」ヨロッ


82:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:04:55.29ID:3XQ4nUAM0

俺「女剣士…? そうか、お前か」
仮面男「は?」
俺「会いたかった…ずっとだ。ごめんな、ごめん…」
仮面男「お前…ヤクやってやがんな」チッ
仮面男「命懸けの試合前にトリップかよ」
仮面男「こんなのが裏闘技場の無敗剣士? 悪い冗談…」
俺「今度こそ殺してやるからな、安心しろ」ギロッ
仮面男「!」ゾオッ


83:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:04:55.81ID:vAbV+EUWr

おもろいな!


85:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:05:09.43ID:0DpSxi3Rd

女の子「俺さん、俺さん、死なないでください!」ボロボロ
俺「大丈夫だ……これくらい、なんてことない」ゼエゼェ
俺「悪かったな、下調べが甘くて、とんでもないところに連れてきてしまった」
俺(……無駄に日数を使ってしまった)ギリ
俺「この子には……もう、時間がないっていうのに」


86:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:05:11.30ID:3XQ4nUAM0

仮面男(こいつはまずい! 俺の本能が訴えてやがる!)
仮面男(癪だが、守りに入る! 近づかれたら、下がりながら牽制して、まずは様子を見る!)
ザンッ
仮面男「いつ、近付いて……あ……」
俺「…………」
司会「しょ、勝者! 俺!」
観衆「うおおおっ! マジで強すぎるだろアイツ!」
観衆「ヤベッ! 倍率低すぎwwwwま、確実に勝てるもんなwwww」
観衆「ここ数戦、明らかになんか鬼神がついてるよな。来たばっかりのときとは段違いだ」
?「…ふむ、噂に聞いていた以上だな」


87:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:05:18.97ID:MOtv7amo0

ロ「もっと… もっとや…」
一般住宅にもトイレが作られた。
彡(゚)(゚)「ブリタニア…?辺鄙なところンゴねえ…」
彡()()「トイレないンゴ…(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!! )」


88:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:05:21.86ID:0DpSxi3Rd

―冒険者の酒場―
俺「どうしよう……どうしよう……あれからいくら探しても、一向に見つからない……」ガリガリ
槍使い「……なぁ、オッサンよ」
俺「お前は……」
槍使い「悪い、以前、とんでもないデマを教えてしまったようだな」
俺「いや……噂でいいから教えてくれと言ったのは俺だ」
槍使い「あれから俺も、調べてみた。都市長が、隠し子の治療のために極秘で白魔導士を読んでいたらしい」
槍使い「これは、恐らく間違いない」
俺「ほ、本当か!」ガタッ


89:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:05:31.91ID:0DpSxi3Rd

―宿屋二階―
デブ「なんだね、チミ。私は忙しいのだがね」
俺(身なりがいい……そうだ、真っ当な白魔導士なら、かなり金を持ってないとおかしいんだ)
◆◆
種族:ヒューマン
年齢:45
性格:傲慢、怠惰
技能:【白魔導:A】
◆◆
俺(ま、間違いない、本物だ! ありがとう、槍使い……!)ジワッ
俺「お、お願いです! 病気の治療をしてほしい子がいるんです!」バッ
デブ「はー、どっから話が漏れたのか」ハナホジー


90:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:05:37.02ID:3XQ4nUAM0

司会「さすが俺様です。貴方こそ、最強の剣士に相応しい」
俺「……それより、アレをくれ、報酬をくれ、なあ。残りが少ない」ガタガタ
司会「わかっていますよ。はい…ゴブリンパウダーです」ニヤッ
俺「…………」スースー
女勇者「薬漬けにして強引に戦わせるなんて…あまりに酷い」
司会「なっ! だ、誰だ」
女勇者「キミ達の行いは、ボクが許さないよ」ジャキン
司会「馬鹿な! 護衛の奴らがあれだけいたのに、たった一人に突破されたのか!?」


92:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:05:43.38ID:MOtv7amo0

ロ「まだまだ作るで!」
ローマ帝国の拡大により僻地にもローマ人たちが移住していき、そこにもトイレや上下水道などが作られた。
彡(゚)(゚) 彡(゚)(゚) 彡(゚)(゚) 彡(゚)(゚) 彡(゚)(゚)
「「「「「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!! )」」」」」
ロ「アカントイレ足りん…どうすりゃいいんだ…」
蛮族「ドーンときてガシャーンとやられる感覚」
ロ「」
蛮族「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!! )」
彡(゚)(゚)「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!! )」


93:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:05:49.20ID:3XQ4nUAM0

司会「こ、こいつはうちのスターだ! 手放すわけには…!」
女勇者「なら、力づくでもらっていくよ。ボクも、その人の力が必要なんだ」
司会「う、うぐ…!」
俺「…止めてくれ」
女勇者「今のキミは、薬物に依存しているだけだ! 少し遠ざけて、聖水で毒抜きを続ければ…!」
俺「アレがないと、俺は駄目なんだ…。罪悪感に押し潰されて、何もできなくなる」ガタガタ
俺「もう、俺は何もしたくないんだ…」
俺「ゴブリンパウダーだけが、俺に全てを忘れさせてくれる…お願いだ、止めてくれ…帰ってくれ…」


94:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:05:51.97ID:wrqprJO50

頭おかしくなるからやめて


95:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:05:55.44ID:0DpSxi3Rd

デブ「ま、私ならいけるね、付きっ切りでかかれば」
俺「ほ、本当ですか!」
デブ「五十万ゴールド」
俺「っ! か、返します! 払って見せます! すぐには用意できませんが……」
デブ「一日五十万ゴールド」
俺「……え?」
俺「そ、それは、何日掛かるんですか……? あの、目安とか……」
デブ「わかるわけないじゃんそんなの見てもないのに」


96:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:05:59.34ID:MOtv7amo0

最後には人口の増加にトイレの建設が追い付かなくなり、挙句の果てにローマ帝国が崩壊、トイレや水道は破壊されるか、使われなくなってしまった。悲しいなあ…


97:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:05:59.79ID:3XQ4nUAM0

女勇者「…駄目だ、キミは連れていく。ボクがもらうよ」
俺「他にもいるだろ…腕が立つ奴くらい…放っておいてくれ…どうせ、使い物にならない…」
俺「俺が一番わかってるんだ…。魔王にも世界にも、興味なんてないんだ…」
司会「そ、そうだそうだ!」ドンッ
女勇者「キミは黙っていろ」ギロッ
司会「ひ、ひいっ!」
女勇者「…キミの想い人を、ボクが見つけたと言っても意見を変えないのかい?」
俺「!」



98:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:06:08.25ID:0DpSxi3Rd

俺「一日に、五十万……」ブツブツ
デブ「三日以内に百万ゴールド用意出来たらとりあえず見てあげるわ」
俺(【聖剣】を売れば、行けるか……?)
デブ「勿論、チミが逃げられないように患者は私が預かるし、破れば死に至る、魔縛りの契約書も書いてもらうけどね」
俺「……わかりました、絶対に、用意してみせます」ザッザッ
デブ「ん、頑張ってね」
デブ「馬鹿な奴だ、何十日でも居座ってやる」ニチャア


99:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:06:11.34ID:3XQ4nUAM0

女勇者「魔王の側近の暗黒騎士は、キミの捜している女剣士だよ」
俺「ほ、本当なのか!」
女勇者「…ようやく、人間らしい顔をしたね」ニコッ
女勇者「一度剣を交えたから間違いないよ」
女勇者「…もっとも、悪魔の心臓を移植して魔人化してるけどね」
俺「お、女剣士…」
女勇者「あんな化け物と魔王の連戦じゃ、さすがのボクでも分が悪すぎる」
女勇者「いいかな? 今度こそ、キミがあの娘を止めるんだ」


100:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:06:17.28ID:w4wYPvu10

無職キン太郎?


101:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:06:21.18ID:0DpSxi3Rd

―試練の洞窟・再奥地―
翡翠竜「ガアアアアア!」
キンキンキィン!
俺(さすがにA級モンスター、強すぎる……)
俺(だが、翡翠竜の角は、一本で三十万ゴールドになる。手っ取り早く集めるには、これしかない!)
俺「らああっ!」ブゥン
翡翠竜「ギッ」
俺「力を貸してくれ、【聖剣】!」
俺「俺はどうしようもないクズだったけど……初めて誰かを守りたいと、そう思えたんだ!」ザクッ
翡翠竜「ギャアアアアアアアッ!」
俺「……やった、のか?」ハァハァ


102:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:06:21.24ID:3XQ4nUAM0

司会「ま、待ってくれ! キミにここを出ていかれたら、私はお終いだ…!」
司会「残ってくれ…! お願いだ!」
司会「キミと奇妙な友情を感じていたのは、私だけなのだろうか…?」
俺「…司会さん」
女勇者「別にボクは、王国にチクって今すぐここを終わりにしてもいいんだけど」
司会「ど、どうぞ、お好きに連れて行ってください勇者様!」バッ
女勇者「クズが…」チッ


103:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:06:23.87ID:17zw+AV80

自分で片付けるんやで


104:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:06:31.19ID:MOtv7amo0

時は経ち、14世紀のイギリス…
彡(゚)(゚)「トイレ?ないです(下水も)ないです」
彡(゚)(゚)「うんこ水はゴクーで」
彡(゚)(゚)「手を洗う?なんやそれ嫌ンゴ」
ペスト「よろしくニキーwwwwwwwwww」

おしまい


146:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:10:33.19ID:BH9cVoSgM

>>104
中世でうせやろ?
ドラクエの連中もこんなんなんか…


105:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:06:33.62ID:0DpSxi3Rd

―当日―
俺「ごめん、ごめん……」ボロボロ
女の子「……」
俺「百万ゴールドあれば、助けてあげられるはずだったのに……!」
俺「市場で足元を見られて、半分しか溜められなかった……!」
女の子「……」
俺「いつもさ、そうなんだ。前の世界でも、勉強とか必死に頑張っても、過去問もらってる奴らには敵わないし……部活だって、恋愛だって、何一つ上手く生きやしなかったんだ」
俺「この世界でもさぁ……!」


106:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:06:37.22ID:7NbaHZNZM

キンキン金太郎?


107:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:06:43.98ID:u/EK3GJZ0

母ちゃん泣いてるぞ?
はよ職に就いて結婚したらどうや


121:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:08:01.26ID:3XQ4nUAM0

>>107
できたらやっとるわ
黙っとれ


108:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:06:45.19ID:0DpSxi3Rd

女の子「ありがとう……」ギュッ
俺「!」
女の子「俺さん、ありがとう……。私、あのまま生まれて来なければよかったって思いながら、死ぬところだった」
女の子「でも、俺さんのお陰で、私、すごく幸せだった」
俺「う、うう……」ガクッ
奴隷商人「キキ、旦那、邪魔するよ」


109:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:06:49.99ID:3XQ4nUAM0

女勇者「ゴブリンパウダーを持ってきてくれ。できるだけたくさんだ」
司会「ゆ、勇者様が、そんなものを…?」
女勇者「そんなわけがないだろう。この人用だ」
女勇者「すぐに使用量をゼロにすることはできない」
司会「そのう…しかしこれは、高価なブツでして…ね?」
司会「勇者様に余裕があるのなら、少しばかり恵んでいただけるとこちらもスムーズに出せるといいますか…」
女勇者「……」ブンッ
司会「ひいっ!」
女勇者「早くしてくれないか」
司会「わ、わかりました。ただちに…」
俺(この人…口調こそ穏やかだけれど、怖いな)


110:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:07:03.00ID:0DpSxi3Rd

俺「お、お前は、あのときの……」
奴隷商人「随分ヘンな奴があちこち奔走してるって、噂になっててね」
奴隷商人「そういやお釣りを忘れたマヌケな人がいたなって、思い出したのさ」ドサッ
俺「!」
奴隷商人「七十五万ゴールドだ」
俺「な、なんで……!」
奴隷商人「ぼったくったって言われちゃ、看板に傷がつくのさ。アタシの店は、信用が売りなんでね」
俺「ど、奴隷商人さん!」ジワア



111:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:07:08.51ID:4cncRgx30

共有NGに入っとるやん草


126:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:08:22.74ID:3XQ4nUAM0

>>111
ひどい


112:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:07:13.66ID:0DpSxi3Rd

俺「ありがとうございます! これで、これで、この子を助けられます!」バッ
奴隷商人「甘いね」
俺「えっ」
奴隷商人「お前の頼ろうとしてる奴は、腕は確かだが、タカリで有名な奴さ」
俺「……そ、そんな。でも、腕は確かなんですよね?」
奴隷商人「馬鹿言うんじゃない。それじゃ、旦那が報われないさ」
奴隷商人「契約に私が付き添ってやる。引き受けるって言質は取ってるし、逃げるには旦那は奇人で有名すぎる」
奴隷商人「あの強欲怠惰にきっちり働かせてやろうじゃないか」
俺「ほ、本当ですか!」


113:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:07:22.54ID:MOtv7amo0

ほな、また…


114:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:07:23.63ID:0DpSxi3Rd

俺「ありがとうございます、本当に」
奴隷商人「いいってことさ、惚れた弱みって奴だね」
俺「えっ……?」
奴隷商人「フフ、なんでもないよ」
女の子「…………」ジー

女侯爵の部下「クソ……あのガキ、【便所の穴】行きになった後の行方が追えない……!」
女侯爵の部下「このままじゃあ、私があの吸血侯爵に殺されてしまう」ゾオッ
俺(なんだ今の人、凄い怖い顔してたが……)


118:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:07:50.04ID:8NTgNTP+0

現代のシェークスピア共有NGで草


134:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:09:18.44ID:3XQ4nUAM0

>>118
あれは情景描写ないと一切楽しめんっていっとる奴おるから「戯曲も楽しめへんなんてかわいそうやな」って返しただけやぞ
ワイが正しいやろ


119:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:07:55.73ID:0DpSxi3Rd

奴隷商人「アンタの腕を見込んでも、妥当な値段だと思うがね」ハァ
デブ「な、何日拘束されるかわからないんだぞ! この私の時間を取るということの意味の重さがわかっておらんな!」
俺「……う」
奴隷商人「高名な白魔導士様が、随分と汚い商売やってるもんだね。洗えば他にもボロが出るんじゃないのかい?」ギロッ
デブ「ぐ……き、貴様!」
奴隷商人「受けてもらえるね」
デブ「……こ、このアマ……」


120:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:07:56.97ID:qRTMMabwH

イグウウウウウア


122:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:08:06.80ID:vmEHz4Nu0

キンキンタマタマ


123:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:08:08.71ID:0DpSxi3Rd

デブ「わ、わかった、引き受けよう……」ガクッ
女の子「お、俺さ……」パァッ
俺「や、やった! やったあ!」ブワァ
奴隷商人「アンタもいい歳だろうに、そう人前で外聞なく泣きなさんな」
俺「だ、だって、俺もう、本当に駄目かと思ってて……! ぐすっ! お、お願いします! この子をお願いします!」バッ
デブ「……フン、魔縛りの契約を結んだんだ。手は抜かんよ」


125:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:08:19.30ID:0DpSxi3Rd

―一週間後―
女の子「俺さん……」ヒョコッ
俺(顔色、よくなってる……)
◆◆
種族:ヒューマン
年齢:15
性格:健気、気弱
病気:なし
経験:2031人
特筆:将来の夢は俺さんのお嫁さん
◆◆
俺「よ、よかった……病気がなくなってる」ヘタッ
俺「う、うう〜」ヘタッ
女の子「お、俺さん!? 泣かないで!」オロオロ
俺「だ、だって……!」

デブ「…………」


127:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:08:34.13ID:0DpSxi3Rd

俺「本当に、ありがとうございました。貴方がいなければ、あの子はどうなっていたか」
デブ「……まさか、本当に何の縁の所縁もない奴隷だったとはな」
俺「…………」
デブ(こんな人間が、まだこの国にいたとはな。それに引き換え、私は……)
デブ「一目惚れか、苦労する性分だな。ああ、安仕事を負っちまった。どこぞで幸せにでもなんでもなるがいい」フンッ
俺「……」
俺「そういうのとは、少し違うんです」
デブ「なに?」


128:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:08:45.67ID:0DpSxi3Rd

俺「確かに最初は、適当に女を買いたくて奴隷市場をうろついてたんです」
俺「俺は本当にロクデナシで、何も考えてなくて、たまたま力を手にしても誰にも必要とされない奴で……」
デブ「…………」
俺「でもあの時、この子を純粋に、一人の人間として助けてあげたいって、思えたんです」
俺「こんなに人のために頑張ったのは、正直これが初めてです。救われたのは、俺の方だったかもしれません」
デブ「……そうか」
デブ「これからどうするんだ? やはり、あの子と結婚するつもり……」
俺「いやいや、まさか」
デブ「む?」


129:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:08:47.54ID:zwWTKIFN0

キンキンキンキンってこんなに名作やったんやな



130:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:08:50.25ID:vmEHz4Nu0

ワイもイッチ見えてないで


131:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:08:58.06ID:0DpSxi3Rd

デブ「それはどういう……」
俺「……俺はもうおっさんですからね。娘くらいの歳の女の子に、恩を被せて結婚迫る様な真似はできませんよ」
デブ「し、しかし、あの子も慕って……」
俺「今は、そうでしょう」
俺「でもあの子も、目を開けてゆっくり周囲を見たら、もっと適した相手が見つかると思いますよ」
デブ「…………そんなものか」
デブ「お前、いい奴だな」
俺「……正直、色んな事は考えます。でも、今は、自分を卑下せずに真っ直ぐ生きてみたいって思えたんだ」


132:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:08:56.83ID:lyRgNwUF0

共有とか関係ないから最後まで貼れや


133:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:09:07.06ID:iUyxFOolK

こういうのがラノベのコンテストに大量に送られてくるんだろ
頭がおかしくなるで


135:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:09:22.68ID:0DpSxi3Rd

俺「こういうふうに、街を歩いたことはなかったな」
女の子「はい! あれもこれも、全部俺さんのお陰です!」
俺「……別に、そこまで気負わなくてもいいんだぞ」
槍使い「あ、お前は以前の」
俺「その節は助かったよ。おかげでこの子を助けることができた」
女の子「この方は……?」
俺「あの大柄の白魔導士を勧めてくれた人だ」
女の子「あ、ありがとうございました!」ペコッ
槍使い(か、可愛い……)ドキッ
俺(…………)


136:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:09:37.98ID:0DpSxi3Rd

女侯爵の部下「……フ、フフ、ようやく見つけたぞ……」
女侯爵の部下「これで私の首も繋がる」
女侯爵の部下「しかし……まさか、【聖剣】持ちの護衛付きとはな」チッ
女侯爵の部下「使える部下を集めて、折を見て囲んでしまうか」
女侯爵の部下「……女侯爵様の領地から外れては、下手に兵やら暗殺やらは使えなくなる」
女侯爵の部下「気取られる前に、【聖剣】持ちを殺し、あの女を女侯爵様に引き渡さねば!」


137:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:09:52.25ID:0DpSxi3Rd

女の子「…………」
俺「どうした? 浮かない顔をして」
女の子「実は、あの方からその、また二人で食事を取らないかと誘われてしまいまして……」
俺「槍使いの奴か。いいじゃないか、ハンサムだし、根がいい奴なのは保証する。年齢だってお前と近い」
俺「そこらの冒険者みたいに荒くれ者じゃなく、教養がある。文字の読み書きだってできる」
女の子「でも……」


138:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:09:52.73ID:3XQ4nUAM0

女勇者「自己紹介は必要かい?」
俺「いえ…勇者様のことは、存じ上げております」
女勇者「楽にしてくれ。元より、ボクが無理を言ってキミについてきてもらっているんだ」
俺(魔王に対抗する人間として神に選ばれた、神紋を持って生まれた少女…)
俺(生まれ落ちたそのときに、最強の人間であることを決定づけられた存在)


139:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:10:01.20ID:0DpSxi3Rd

俺「それに、実は遠方の貴族の長男だというじゃないか」
俺「今は家との連絡は断って冒険者として生きているようだが、いずれ元の鞘に戻るかもしれない」
女の子「わ、私は、俺さんが……」
俺「食事くらい一緒に行ってやれ。それとも、槍使いは嫌いか?」
女の子「そうじゃ、ないけれど……」


140:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:10:09.78ID:3XQ4nUAM0

俺「なぜ、俺を…?」
女勇者「話した通りだ。側近と魔王を同時に相手取れないから、どうしても仲間が必要になったのさ。あの戦いを見て、確信したよ。キミはこの国で、ボクの次に強いよ」
女勇者「自惚れみたいな言い方になっちゃったね…ごめんね」タハハ
俺「いえ…」
女勇者(ずっとぼうっとしてるな…ゴブリンパウダーのせいか)ジッ


141:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:10:19.19ID:0DpSxi3Rd

俺「最近はどうだ?」
槍使い「あ、ああ、実はその、贈り物をしたいんだが……好きなものか何か、わからないだろうか?」
俺「そういえば、装飾品屋をよく羨ましそうに見ているな……」
俺「あいつは緑色が好きなんだ。上手く見繕ってやれ」
槍使い「か、感謝する、お義父さん!」バッ
俺「誰がお義父さんだ誰が!」


142:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:10:19.52ID:3XQ4nUAM0

女勇者「キミの事情は遠巻きには知っているけれど、深くは知らないんだ」
女勇者「だけど…キミが話さないのなら、根堀り葉掘りは訊かないよ」
俺「……ありがとうございます」
女勇者(話してはくれない、か)
女勇者(初めて肩を並べて戦える仲間だから、もっと親交を深めたかったのだけれど)
女勇者(彼は、ボクに関心がないらしい)ハァ
女勇者「ちょっと寂しいな…」


144:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:10:28.17ID:3XQ4nUAM0

女勇者(ふう…旅続きは疲れる)チャプン
女勇者(ボクも歳頃の女の子なのだから、こんな異郷の湖ではなく、もっと綺麗なところで身体を洗いたいのだけれど…)
女勇者「仕方がない、か。魔王城の近くなのだから」
女勇者(あの人は色恋に関心がなさそうだから、そういう意味では仲間として安心できるのかな)
女勇者(ちょっと複雑だけれど…)
俺「……」スッ
女勇者「き、きゃあっ! お、俺さん、そういうのは…!」
俺「……悪い、ヤクでぼうっとしていたらしい」スッ
女勇者「…………」
女勇者「可哀想な人」ボソッ


145:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:10:31.92ID:0DpSxi3Rd

槍使い「で、でも、いいんですか? その……」
俺「別に俺が止める理由はないだろう。父親でさえないんだからな」ハア
俺「……ただ、お前があいつを傷つけることがあったら、絶対に許さないからな。手を出すつもりなら、責任はきっちり取ってもらう」ジャキ
槍使い「わ、わかっている!」
俺「欲を言えば、冒険者なんていつ死ぬかわからない仕事はやめて、貴族に戻ってほしいんだがな」
槍使い「…………」


147:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:10:34.01ID:YbgU+5k80

キン!キン!キングゥゲッナー!キン!キン!キングゲッナー!


148:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:10:35.19ID:3XQ4nUAM0

俺「頼む…寝る前に、頼む…」ガリガリ
女勇者「もう少し、量を減らさないと…」
女勇者「食事を増やして気を紛らわせるとか…」
俺「食べても食べても、気持ち悪いだけなんだ!」
女勇者「…ゴブリンパウダーさえなければ、キミは本当に最高の仲間なのだけれどね」
俺「お前にはわからねぇだろうなあ!」
俺「頭痛が酷くて、頭がイライラして、寒くて、寂しくて…」ガタガタ
女勇者「…わかったよ。使うといい」ハア


151:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:10:43.25ID:0DpSxi3Rd

女の子「か、かわいい……ですか?」
俺「ああ、よく似合ってるよ」
女の子「えへへへ……」
俺「槍使いからもらったのか?」
女の子「はい!」
女の子「それから、実は……その……」
俺「…………」
俺「プロポーズでもされたか?」
女の子「っ!!」
俺(あいつもせっかちな奴だな)ニマッ


152:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:10:45.25ID:3XQ4nUAM0

ガサコソ
女勇者「……」ウツラウツラ
女勇者「キミ……まだ、起きているのかい?」
俺「……」ガバッ
女勇者「きっ、きゃあっ!」ドサッ
俺「暴れないでくれ…」ハァハァ
女勇者「キミがそういう人だとは思わなかった! 心底軽蔑したよ!」
女勇者「今なら、なかったことにする。早くボクの上から降りてくれ……!」
俺「…………」ハアハア
女勇者「降りろ! このっ、下衆が! 本当にボクは、キミに失望した!」


153:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:11:01.32ID:0DpSxi3Rd

俺(幸せ……だな)
俺(まさか、俺がこんな気持ちに浸れる時が来るなんて、思ってもみなかった)クスッ
俺「……!」ピクッ
女の子「俺さん?」
俺「……お前、今日は槍使いの奴に泊めてもらえ」
女の子「え? そ、そんな……」カアッ
俺「いいか? これは冗談なんかじゃない、真っ直ぐ表通りまで行って振り返るな」


154:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:11:11.57ID:0DpSxi3Rd

女の子「お、俺さん……? は、はい!」ダッ
俺「……出て来いよ」
女侯爵の部下「おや、よく気が付きましたねぇ。私達に気付いていて逃げないなんて、大したものですよ」バッ
俺「達……?」
兵A「俺達には気づいてなかったのか」クク
兵B「残念だったなぁ、おっさん。これも仕事だから、恨まないでくれよ」ニヤニヤ
俺(……十人!)


156:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:11:28.47ID:3XQ4nUAM0

女勇者「この…ヘンタイがっ!」ドカッ
女勇者「信用していたのに…サイテイだよ!」ツゥッ
女勇者「こ、今後、ボクの三メートル以内に近づかないでくれ!」
俺「お、俺を、見捨てるのか…」ポロポロ
女勇者「な、何も、泣くこと…!」
俺「寂しいんだ、苦しいんだ」ガタガタ
女勇者「……」
俺「お願いだ…俺を、俺を受け入れてくれ」
女勇者「…………」
女勇者「……わかった、よ。元よりボクが、強引に手伝わせている、命懸けの旅路だ」


157:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:11:35.31ID:0DpSxi3Rd

女侯爵の部下「いかに【聖剣】持ちとは言え、精鋭兵十人を相手にはできないでしょう」クク
俺(武器も防具も、整ってる。手入れもされてる)
俺(……冒険者やゴロツキじゃない、貴族の兵だ!)ツー
俺「お前ら、何が狙いだ!」
女侯爵の部下「貴方がいけないんですよ。余計なガキに色欲を出すから、厄介ごとに巻き込まれるのです」ニイ
俺「余計な、ガキ……?」


158:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:11:39.23ID:3XQ4nUAM0

女勇者「ああっ、うぐ、ああ……んはぁ……」ハァハァ
女勇者「ボ、ボク……初めてだったのに、こんな、激しく……本当に、酷いよ……キミは」ギュッ
俺「……」ギュウッ
女勇者「キ、キミ……」
俺「もう、もう離さないからな…」
女勇者「そ、そんな恥ずかしいこと言わないでくれよ。ボ、ボクはあくまで、その……」
俺「女剣士……もう、離さないからなあ……ごめんなあ……」ボロボロ
女勇者「…………」
女勇者「……ああ、そういうことか」ボソッ


159:なんJゴッドがお送りします2020/07/31(金) 22:11:48.99ID:0DpSxi3Rd

女侯爵の部下「とっとと殺してしまえ! こいつさえ片付ければ、あの小娘はどうとでもなる!」
兵A「任せてください!」サッ
兵B「油断はしませんよ、確実に仕留めてやります!」シュンッ
ブンッ
兵A「がぁっ!」
兵B「ぐぼ……お、俺の足! 脚がァ!」
俺「……あいつを殺させるつもりはない。死ぬ覚悟がある奴だけ掛かってこい」ジャキンッ
女侯爵の部下「なんだと…?」




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