盲目の令嬢「……準備なさい」俺「は、はい!」

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1:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:10:29.12ID:YqhfVwhB0

令嬢「平民の猿を連れて歩かなければならなくなるなんて」ハァ
俺(なんで俺が、こんな目に……)
令嬢「うっ」ヨロッ
俺「し、失礼いたします!」バッ
俺「大丈夫でございますか!」
令嬢「……なぜ、石のある上を歩かせたのかしら?」ギロッ
俺「えっ、し、しかし、外ですし、そういうことも……」
令嬢「……」スッ
俺「て、鉄杖……?」
ガツッ、ドゴッ
俺「うぶっ!」
俺「お、お辞めください!」
令嬢「私は、公爵家の長女よ! 私の身体に傷でもつけたら、貴方はどう償うつもりだったのかしら!」ドゴッ、ドガッ
令嬢「貧民の老婆の手でも引いているつもりだったのかしら!」
令嬢「次やったら殺してやるわ!」
俺(こ、このままだと殺される……)ハァハァ


2:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:10:45.89ID:YqhfVwhB0

俺(……貴族の料理はやっぱり豪華だな)
令嬢「…………」
令嬢「口許まで運んで頂戴」
俺「そ、それもですか」
令嬢「…………」イラッ
俺「い、いえ! なんでもありません!」
俺(……こんなことまでさせて、恥ずかしくないのか?)チャカチャカ
俺(こいつら平民を人間だと思ってないから、そういう感情はないのかもしれんな)
俺(お高く留まりやがって。今フォークで突いてやったら、殺せるのに……)
令嬢「早くしなさい!」
俺「はっ、はい! 何からとりましょうか!」


3:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:10:53.72ID:YqhfVwhB0

令嬢「……取るのは遅いわ、間違えるわ、下に落とすわ」
令嬢「最低ね」ハァ
俺「……お粗末様でした」
令嬢「全部で八回だったわね」スッ
俺「え……れ、令嬢様?」
シュンッ、バンッ
俺「おぶっ! あがっ!」


4:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:11:04.89ID:YqhfVwhB0

メイド「大丈夫ですか、俺さん? こんな、怪我だらけで……」
俺「気を遣ってくれてありがとうございます」
俺「これくらい平気ですよ」ハハハ
メイド「食事の時間以外令嬢様に付きっきりなのに、令嬢様の横暴で食事もまともに取れずに殴られっぱなしなんて……」
俺「……」
メイド「……大変でしょう。令嬢様は、サマエルと使用人の間で呼ばれているのですよ」
俺「それって、えっと……死の天使でしたっけ」


5:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:11:14.11ID:YqhfVwhB0

メイド「そうです。サマエルは、その罪によってモーセに目を潰されたのですよ」クスッ
俺「……聞かれるとまずいですよ」
メイド「このくらい、皆口にしていますよ」
メイド「それに、あの性格ですから。親族も令嬢様を遠ざけていますし、咎めて騒ぐ人はいませんよ」
俺「そんなものですか……」


6:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:11:23.07ID:YqhfVwhB0

メイド「あまりご一緒できる時間はありませんが……俺さんは丁寧で大人しくて、いい人ですね」ニコッ
俺「はは、あまり人馴れしていないだけですよ。田舎から出てきたもので」
メイド「またお時間合いましたら、お話しましょう」
俺「ええ、また……」


7:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:11:32.81ID:YqhfVwhB0

ドンッ、ドンッ
令嬢「遅い! 食事くらい、すぐに済ませなさい!」
俺「は、はい、すぐに!」
メイド「大変ですね」
メイド「妹様は、私達使用人にも優しく接してくださる、いいお方なのですが……」
俺「では、いつかまた」ドタドタ


9:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:11:49.69ID:YqhfVwhB0

令嬢「呼べばすぐ来るのね」フンッ
俺「さ、さぼっていたわけではありません」
俺「その、急いできただけで……」
令嬢「…………」スッ
俺「ひっ!」
令嬢「……まぁ、よいわ。今回は見逃してあげる」
俺(た、助かった……)


10:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:12:06.69ID:YqhfVwhB0

令嬢「私は光を失ったけれど、その代わり、耳はとてもいいの」
俺「えっ……」
令嬢「つまらない嘘は吐かないことね」
俺「…………」ゾオッ


11:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:12:15.62ID:2niFQoYP0

ガチでもう構わないぞ
こないだで見切った


13:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:12:49.58ID:YqhfVwhB0

俺「……こ、この位置で大丈夫でしょうか?」ソッ
令嬢「本当に中央なのでしょうね」
俺「……少し動かしますね」
令嬢「………」チッ
俺「ひっ!」ビクッ
俺「これで、毛布を被せて……終わりました。今日もお疲れ様でございました」
令嬢「…………」
俺(ぺっ、労いの言葉もなしかよ)


14:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:13:00.21ID:IKoD4/ej0

またおまえか


15:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:13:15.68ID:X9d63arM0

面白いよ


16:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:13:29.19ID:YqhfVwhB0

俺(これで六時間開放される……)フウ
俺(令嬢様が起きる一時間前から横にいろって、どう考えてもおかしいよなあ)ハァ
メイド「俺さん、お勤めごくろうさまです」ニコッ
俺「メ、メイドさん! どうも……」
メイド「実は、俺さんとお話をしたいとおっしゃっている方がいまして。来てもらえませんか?」
俺「そ、そうなんですか? しかし、睡眠時間がその……」ハハ
メイド「妹様です」
俺「え、えっ!?」
メイド「いつも、一時間早いのでしょう? そちらの件も、妹様から許可を出していただけるかと」
俺「わ、わかりました。しかし、なんで俺なんかを……」


17:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:13:42.56ID:YqhfVwhB0

妹「ありがとう、メイドちゃん」ニコニコ
メイド「い、いえ!」
妹「お話するのは初めてですね。俺さん」
俺「あ、あの、なぜ、俺なんかを……」
妹「……愚姉がいつも、迷惑をかけております」ペコッ
俺「そ、そんな、とんでもないです!」
俺(め、めっちゃいい人だ! なんで令嬢様と姉妹なんだ?)


18:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:13:50.12ID:iPCP7/Uma

マジでつまらん



19:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:13:53.94ID:YqhfVwhB0

妹「私が起こしてしまったので、朝遅く出る許可を出したといえば、父も母も、姉も、余計なことは言えませんよ」
俺「ありがたいです……」
妹「本題なのですが……俺さんはとても真面目で、仕事のできる人です」
妹「ここまで文句も大きな問題ごともなく姉に仕えていられる方は、本当に少ないんです」
俺「過分な評価ですよ。……正直、俺もいつまで続けられるか自信がなくて」
妹「そうでしょう。私はそのような人が、姉の横暴で潰されるのを見たくはないのです」
俺「え……」
妹「庭師の仕事を増やして、空きを作って差し上げます。俺さんがそちらへ入れるよう、手配してあげましょう」
俺「ほっ、本当ですか!?」


20:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:14:07.14ID:SzLjRrYPd

ここはお前の日記帳ちゃうぞ


21:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:14:08.56ID:YqhfVwhB0

妹「今の仕事だと、まともに故郷にも帰れない上に、何の自由もありません」
妹「庭師の仕事も楽だとは言いませんが、今よりはきっとマシですよ。昼の食事も抜けられますし、お菓子の時間も設けております」
妹「夕食の頃にはその日の仕事はお終いです」
俺「め、女神様……!」
メイド「よかったですね、俺さん」ニコッ
妹「一週間ほど、どうにか堪えてください。その間に進めてみせます」
俺「ありがとうございます!」


22:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:14:29.04ID:Zqrr+A2R0

30個くらい後から始めてくれる?


23:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:14:32.73ID:YqhfVwhB0

令嬢「……何を考えているの?」
令嬢「いつも、六時前にはここで待っているのではなくて?」イライラ
俺(こういう日に限って早起きなんだよなあ)ハァ
令嬢「抜けていたわけではないわね。五時にもいなかったもの」
俺(……ほ、本当、こういう日に限って)
俺「じ、実は他の使用人が倒れたらしくて、穴埋めに入っておりました」
俺「妹様より、許可はいただいております」
令嬢「……お前は」
俺「…………」
令嬢「お前は私の世話係なのに、妹の言うことを聞くのね」
俺(ば、バレてる!? いや、そんなはずは……)ドキッ
令嬢「早く連れて歩きなさい」
俺「はっ、はい!」


24:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:15:11.02ID:ZQUCc1Z2p

キンキンキンキンキンキンキンキン!!と同一人物なんか?こいつ


26:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:15:41.46ID:xn6/r+nkd

早くしろゴミ


27:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:15:51.09ID:YqhfVwhB0

―三日後の夜―
妹「明日には父に提案できそうです」ニコニコ
俺「ありがとうございます!」
メイド「よかったですね、俺さん!」
妹「これであの腐れ女と離れられて、さぞ嬉しいことでしょう」ニマァ
俺「……あ、姉なのでしょう? そこまで言わなくても……」


29:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:16:20.33ID:YqhfVwhB0

妹「元々嫌いだったのですよ。目が見えなくなる前から、高慢で、我が儘で」
妹「その癖に天才肌で、美人で……散々甘やかされて、人の気持ちなど考えたこともないというような、そういう女でした」
俺「は、ははは……」
妹「私も姉の尻拭いをさせられ、その上に姉と比べられ、お前はダメだとよく言われたものです」
俺「…………」
妹「そうしたら……フフッ、目が見えなくなって、あのザマで……!」
妹「ずっと何かに怯えてるみたいに、周囲の物に必死に当たり散らして、ああ、お可愛いことで」フフッ
妹「元々捻じ曲がっていた性格が、ああも悪化するなんて!」
妹「そのうち、捻じ切れてしまうかもしれませんね。なんて」


30:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:16:23.50ID:9uTpAlF0a

お前何で最近復活してんだよ
二度となんJ来んなよキチガイ


31:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:16:41.49ID:HF2CZDHp0

完結させろ


32:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:17:03.28ID:YqhfVwhB0

妹「サマエルとはよく言ったものですよ、フフ」
妹「神様が見ていたのでしょう。あの性悪から、視力を奪っていったのです」
俺「…………」
メイド「本当、苦労かけられましたよね俺さん」
メイド「先に俺さんが死んじゃうんじゃないかと、ずっとハラハラしていました」
俺「……お、俺は……」


33:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:18:04.22ID:YqhfVwhB0

俺「…………」
俺(情なんてないだろ……! あんな奴……!)
妹「どうしました?」
俺「お願いします……庭師の仕事、お願いします!」
妹「フフフ……」ニコニコ
俺(……本当に、よかったのか?)ギュッ


34:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:18:08.16ID:9f+ab5y80

あげ


35:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:18:13.58ID:bSbCkPD30

これ最後まで続いたことあるんか?



36:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:18:22.04ID:X2lQIAWD0

ほし


38:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:18:52.87ID:YqhfVwhB0

盲目の令嬢「……私を待たせて、何様のつもりかしら?」イライラ
盲目の令嬢「本当に使えないわね」
俺「申し訳ございませんお嬢様」
盲目の令嬢「次からしっかり……」
俺「明日からは、別の人が世話係になりましたので」
盲目の令嬢「え……?」
俺「もう鈍くて覚えの悪い俺に苛立つこともありませんよ、よかったですね」
盲目の令嬢「え……? あ、え……?」
俺「そういうことですから……」
盲目の令嬢「あ……」ツウ
盲目の令嬢「ち、違う……これ、涙じゃなくて……あ……」


39:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:19:04.76ID:JOhHrGx90

いいぞ


40:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:19:18.44ID:B4ojFj5bd

春琴、ほんとうの名は鵙屋琴もずやこと、大阪道修町どしょうまちの薬種商の生れで歿年ぼつねんは明治十九年十月十四日、墓は市内下寺町の浄土宗じょうどしゅうの某寺ぼうじにある。
せんだって通りかかりにお墓参りをする気になり立たち寄よって案内を乞こうと「鵙屋さんの墓所はこちらでございます」といって寺男が本堂のうしろの方へ連れて行った。


41:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:19:25.62ID:TO/4Xetv0

おもろいやん


42:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:19:36.98ID:B4ojFj5bd

見るとひと叢むらの椿つばきの木かげに鵙屋家代々の墓が数基ならんでいるのであったが琴女の墓らしいものはそのあたりには見あたらなかった。
むかし鵙屋家の娘むすめにしかじかの人があったはずですがその人のはというとしばらく考えていて「それならあれにありますのがそれかも分りませぬ」と東側の急な坂路になっている段々の上へ連れて行く。


43:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:19:39.36ID:CnJ/hWvV0

いい調子やん


44:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:19:43.86ID:HF2CZDHp0

なんか変わった?
前は
いもうっとにきれてるやつだった覚えがある


45:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:19:48.28ID:JYTlWPN50

はよ


46:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:19:49.10ID:UBtxWC790

これは流行らん


47:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:19:54.14ID:YqhfVwhB0

なんでみんな怒ってるんや
そこまで言わんでよくないか?


50:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:20:08.59ID:HF2CZDHp0

>>47
ええからはよしろ


62:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:20:59.23ID:aPq7qp9tH

>>47
早くしろゴミ


48:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:20:02.34ID:B4ojFj5bd

知っての通り下寺町の東側のうしろには生国魂いくたま神社のある高台が聳そびえているので今いう急な坂路は寺の境内けいだいからその高台へつづく斜面しゃめんなのであるが、そこは大阪にはちょっと珍めずらしい樹木の繁しげった場所であって琴女の墓はその斜面の中腹を平らにしたささやかな空地あきちに建っていた。
光誉春琴恵照禅定尼、と、墓石の表面に法名を記し裏面に俗名鵙屋琴、号春琴、明治十九年十月十四日歿、行年ぎょうねん五拾八歳ごじゅうはっさいとあって、側面に、門人温井ぬくい佐助建之と刻してある。


51:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:20:08.65ID:8Y4EU2xg0

はよしろ


52:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:20:12.26ID:JYTlWPN50

ペース上げてけ


54:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:20:25.32ID:CnJ/hWvV0

ここまでテンプレ


55:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:20:25.87ID:B4ojFj5bd

琴女は生涯しょうがい鵙屋姓せいを名のっていたけれども「門人」温井検校けんぎょうと事実上の夫婦ふうふ生活をいとなんでいたのでかく鵙屋家の墓地と離はなれたところへ別に一基を選んだのであろうか。
寺男の話では鵙屋の家はとうに没落ぼつらくしてしまい近年は稀まれに一族の者がお参りに来るだけであるがそれも琴女の墓を訪おとなうことはほとんどないのでこれが鵙屋さんの身内のお方のものであろうとは思わなかったという。


56:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:20:32.14ID:JYTlWPN50

読んでるぞ


57:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:20:50.04ID:X9d63arM0

展開変わってる
けど早く完結しろ


58:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:20:50.41ID:B4ojFj5bd

するとこの仏さまは無縁むえんになっているのですかというと、いえ無縁という訳ではありませぬ萩はぎの茶屋の方に住んでおられる七十恰好かっこうの老婦人が年に一二度お参りに来られます、そのお方はこのお墓へお参りをされて、それから、それ、ここに小さなお墓があるでしょうと、その墓の左脇ひだりわきにある別な墓を指し示しながらきっとそのあとでこのお墓へも香華こうげを手向たむけて行かれますお経料などもそのお方がお上げになりますという。


59:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:20:52.34ID:HF2CZDHp0

落ちるぞ


60:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:20:54.16ID:sylVBr0M0

続けろ


64:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:21:16.76ID:HF2CZDHp0

はよせいごみ


65:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:21:18.40ID:B4ojFj5bd

寺男が示した今の小さな墓標の前へ行って見ると石の大きさは琴女の墓の半分くらいである。表面に真誉琴台正道信士と刻し裏面に俗名温井佐助、号琴台、鵙屋春琴門人、明治四十年十月十四日歿、行年八拾三歳とある。
すなわちこれが温井検校の墓であった。
萩の茶屋の老婦人というのは後に出て来るからここには説くまいただこの墓が春琴の墓にくらべて小さくかつその墓石に門人である旨むねを記して死後にも師弟の礼を守っているところに検校の遺志がある。


66:なんJゴッドがお送りします2020/10/05(月) 23:21:18.84ID:YqhfVwhB0

俺「今日が、最後ですから……」
俺「よかったですね、お嬢様」
盲目の令嬢「……そう、そういうこと」
盲目の令嬢「やっぱり貴方も妹についたのね」
俺「……なんですか?」
俺「せ、責めたかったら、責めればいいだろ!」
俺「男の俺が世話係をするのは、不都合だし……お嬢様もせいせいするだろ!」
盲目の令嬢「…………」
俺(チッ、今日に限って大人しいのか。調子が狂う)




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