彡(^)(^)「せや！椅子になったろ！」

( ・`ω・ ́)「じゃあ行ってくるよ」
/|i、゚ヮ゚ハレ.「行ってらっしゃい、アナタ!」
/|i、゚ヮ゚ハレ.「……ふぅ、夫の見送りも済んだし、そろそろ仕事に取り掛かりますか」
/|i、゚ヮ゚ハレ.「まずはファンレターのチェックっと。封書が2通にハガキが1通、それに原稿……結構なボリュームね」
/|i、 ́ヮ`ハレ.「よくいるのよね〜素人が感想聞きたさに原稿送ってくるの。大抵は長々しくて退屈なものばかりだけど、とりあえず読んでみますか」
/|i、゚ヮ゚ハレ.「『奥様、奥様の方では、少しも御存じのない男から、突然、此様このような無躾な御手紙を、差上げます罪を、いくえにもお許し下さいませ。』」
/|i、゚ヮ゚ハレ.「小説かと思ったけど手紙なのかしら?タイトルもないし。にしてはやけに気味の悪い書き出しねぇ」

昨日NHKでやってたやつ?

なんやこれ

人間椅子やぞ

彡(^)(^)「商会が注文を取り付けてくれた四脚の椅子がやっと完成したで!」
彡(゚)(゚)「我ながら見事な出来栄えや。固すぎず柔らかすぎないクッション、なめし革の肌触り、適度な傾斜で背中を支えてくれる背もたれに肘掛け」
彡(゚)(゚)「全てが不思議に調和してコンフォート(安楽)を見事に表した、まさに最高傑作や」
彡( ́)(`)「この美しい椅子、出来るなら手放したくない……なんとかならんやろか……」
彡(゚)(゚)「……」
彡(●)(●)「ワイが椅子になればええんや」

は?

こち亀にこんな話あったな

( ́・ω・`)「注文した椅子の受け取りにきました」
彡(゚)(゚)「(あ、そういえば今日椅子の引き渡しの日やったわ)」
(*^○^*)「僕は師匠の弟子なんだ!師匠は今いないみたいだから僕が運ぶんだ!」
( ́・ω・`)「わかりました。では一緒に車に積みましょう」
( ́・ω・`)「ん?なんか一脚だけ馬鹿に重いな」
彡;(゚)(゚)「(ワイが入っとるからやで)」

tehuおって草

彡(゚)(゚)「ワイの椅子はある外国人向けホテルのラウンジに運ばれたみたいや」
彡(^)(^)「早速椅子から抜け出して散策や!部屋を荒らしまわったろ!」
彡(^)(^)「バレても椅子に逃げ込めば見つからヘんで!流石にこんなところに犯人がいるとは思わんやろなぁ」
彡(゚)(゚)「ワイの目の前で犯人はあっちへ逃げたいやこっちに逃げたと大騒ぎや。まったくオモロいことやで」
彡(゚)(゚)「今のワイは椅子を隠れ家にしたヤドカリや。海岸やなくホテルをのさばり歩くんや」

なんJ名作部

コツッコツッコツッ……ドスッ
彡(゚)(゚)「(誰かがワイに座りおった。声からして男みたいや)」
彡;;;(○)(○)「……」
スッ……コツッコツッコツッ
彡(○)(○)「実際に座られるとワイの存在がバレるんちゃうかと恐ろしさで汗がビッショリやで」
彡(゚)(゚)「でも出入りの多いラウンジだけあって入れ代わり立ち代わりで誰かが座り続けるんや。クッションの下には血の通ったワイがおるとは知らずに」
彡(゚)(゚)「今のワイにとって人間は声、鼻息、足音、服の擦れる音……それに弾力に富んだ肉塊でしかない」
彡(゚)(゚)「背骨の曲がり、肩甲骨の開き、腕の長さ、脚の太さ……どれだけ似た背格好でも違った部分があって、目に見えない代わりに身体の感触で識別できるんや」

(o’ω’n)「〜〜〜!!〜〜!」
彡(゚)(゚)「(声からして外国の少女やろか)」
(o’ω’n)「ゥーンダ!アハハ!」バタバタ
彡;(゚)(゚)「(女がワイの膝の上で歌って踊っとるで……)」
彡(゚)(゚)「(……ワイは今この娘を皮一枚通して抱きしめることもキスすることも自由自在や)」
彡(゚)(゚)「(今まで女とは縁遠い生活をしてきたワイやが、椅子の中にさえいれば美しい人に近づいて声を聞いて肌に触れることもできる)」
彡(゚)(゚)「(まさに椅子の中の恋や。触角と聴覚と僅かな嗅覚のみの恋。最初は金をちょろまかして逃げるつもりやったが、まだしばらくはこの生活を続けることにするで)」

江戸川乱歩とか星新一でこういうの読んだ気がする

乱歩か

( ́・ω・`)「みなさん、突然ですが当ホテルはオーナーの都合で閉館することになりました」
彡;(゚)(゚)「(ファッ!?)」
( ́・ω・`)「なお新オーナーによる営業方針の転換によって高級ホテルから一般的な旅館になるのでほとんどの家具は競売にかけられます」
彡(゚)(゚)「(そらしゃーないな。残念やけど十分蓄えはできたし娑婆に戻るか)」
彡(゚)(゚)「(……でもある意味チャンスやないやろか?)」
彡(゚)(゚)「(このホテルは外国人向けで実際ワイが触れたのも外国人ばかりやった。ずっと物足りなかったんや。やっぱり恋するなら日本人がええわ)」
彡(゚)(゚)「(競売で日本人に買い取られれば本当の恋ができるんちゃうか?)」

うんこどうするんや

でもこれオチくっそしょーもないんだよな

彡(^)(^)「道具屋の店先に並べられた時は正直苦しかったけど早々に買い手が見つかって助かったで。やっぱワイの最高傑作なだけあるわ」
彡(゚)(゚)「それに買い手は男やけど日本人や。しかもかなりの豪邸やで」
彡(゚)(゚)「それ以上に幸運なのはワイの椅子が若い夫人の使う書斎に置かれたことや」
彡(゚)(゚)「夫人は食事と睡眠以外の殆どの時間書斎で仕事に没頭しとる。美しくしなやかな肉体がいつもワイの上にあるんや」
彡(-)(-)「これが本当の恋やったんや。これに比べればホテルでの経験なんて決して恋とは呼べん」
彡(゚)(゚)「どうにかして夫人にワイの存在を知らせたい……でも普通に知らせたら即座に牢屋行きや」
彡(゚)(゚)「それが叶わないなら、せめてこの椅子の居心地をよく感じさせて愛着を持ってもらいたいもんや。ただの椅子という物質ではなく、一つの生き物としての愛着を」

なんかのパクリやろ

彡(゚)(゚)「椅子に座るタイミングで出来る限りやさしく受け止める」
彡(゚)(゚)「疲れた頃に分からないくらいに膝を動かして彼女の位置を変える」
彡(゚)(゚)「居眠りを始めたら極僅かに膝をゆすって揺り籠のように揺らす」
彡(゚)(゚)「色々やってみたらこの頃何となくやけどワイの椅子を愛してくれてるんやないやろかと思う」
彡(゚)(゚)「……」
彡(○)(○)「もう我慢できん!一目でええから顔を見て言葉を交わしたい!それができればもうそのまま死んでもええ!」

芋虫の方がすきや

有名だけどオチ知らんわ

海に投げ込まれるんか?

ネウロにこんな犯人いたな